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2008年12月14日 (日)

セザンヌ主義

2008年12月13日(土)
「セザンヌ主義」(横浜美術館)に行った。

Photo_3

展示点数が予想以上に多く充実していたのだが、あいにく時間に制約があった。そのため、不本意ではあるが急遽今回の観賞テーマを作り、それに絞って観ることにした。

まず会場をざっと回ってめぼしい物はないかと探した。すると以前より関心があった川口軌外の作品があった。そこで今回は欲張らず、川口作品をじっくり鑑賞し、あとは流すことにした。

川口作品は「裸婦群像」、「風景」、「水差しのある静物」の3点が展示されていた。少ないようだが、川口作品を3つでもまとめて観るのはこれが初めてだったので嬉しかった。どれもキュビズムあるいはキュビズムを想起させる構成で、期待を裏切らないたたずまいだった。西洋的構成感をべースに持ち、そのうえに独自の「乾いた叙情」とでもいうものを載せたという印象だった。

セザンヌは大好きだ。好きな分、他の作家より過去に多く作品を観てきている。音楽に例えると、大好きなバッハの好きな作品を何回も演奏して「ああいいな」と言って喜んでいる感じだ。しかし、逆に観ることによって新鮮味が感じられることはない。「セザンヌ主義」の作家も同様である。

そのため、今回の展覧会は展示点数が非常に多く、ほとんど好ましい作品ばかりであるにもかかわらず、それが逆に災いして強烈な印象を得て帰ることができなかった。川口軌外作品に触れるという部分的満足感はあったが。考えてみれば、これは贅沢な悩みでバチ当たりものだな。

流して観たなかに「やっぱりいいな」という爽やかな「読後感」を残してくれた作品がいくつかあった。前田寛治の「赤い帽子の少女」などの美しい色彩による気品ある作品、キース・ヴァン・ドンゲン描く個性ある人物画、モーリス・ドニのこれまた独特の詩情、そしてセザンヌ自身のいつ観ても変わらぬ美しさ・・・。同じ「主義」の作品群のなかにも多様な個性が光っているのは嬉しい。

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コメント

川口軌外、未知の画家だったのですが、
ジョヴァンニさんの記事を観たおかげで、
注目してきました。

展覧会全体を通じて、
風景画に表れるキュビズムはいいものだなあと、
感じました。

「乾いた叙情」とは、いいえて妙ですね。

テツさんコメントありがとうございました。

実は今日「保土ヶ谷の異次元スポット」の店で飲んでいたのです。いま帰宅しました。

川口軌外はもっとアヴァンギャルドな作品があったはずです。今後まとめて観る機会を楽しみにしております。

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