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2008年11月29日 (土)

鶴見線:①駅の幽霊

「駅2008:鶴見線に降りたアートたち展」のツアーは東京ステーションギャラリー学芸員のガイドが付いて鶴見線の4番線ホームで第1幕が始まる。主役はこの場を往来した無数の人間の思念をたっぷり吸い込んだ駅のホーム。

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そして脇役(すみません!)はアーティストの木村幸恵さん。彼女のテーマは「Dancing Echoes」。上から吊るされたプラスチックシートはスカートを模しており、風にたなびいている。空中に漂っている幽霊がダンスを踊り、その動きがこだましてゆくというインスタレーションだ。

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学芸員さんの解説によると、作者は展示作品同じプラスチックシートの材質で作った「幽霊」も同時に設置したかったそうだ。その「幽霊」は第4幕で訪れた浅野駅に設けられた「紹介ルーム」に泣き別れで展示されていた。

「幽霊」というのは、この駅を通り過ぎていった何百万人もの人の残した電磁波を象徴するものであろう。もしこの「幽霊」の同時設置が許可されていたら、どうだったであろうか?

「人形」(ひとがた)は、あまりにもストレートに人間を表現してしまうので、逆効果だったかもしれないと私は思った。主催者とアーティストの妥協により、結果的に今回展示のはこびとなったスカートの形だけのほうが、人の行き来を暗示し、かえってそれが重層化した怨念みたいなものを表現しえたと考えたのだ。

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