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2008年9月 4日 (木)

東横架線跡壁画:魔物たち

1キロ壁画には魔物も棲んでいる。

闇の帝王が夜の異界を支配している。

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牙を備えた口から溢れ出てくる霧状の白いものを見よ。何という描写力だろうか。闇の帝王の姿は現実とかけ離れているので描かれたものとわかるが、この煙状のものは一瞬本物かと思うほどだ。

この魔力を帯びた煙を浴び、置物の達磨も妖怪に変化(へんげ)する。

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右側には、たった今この達磨が吸い込んだであろう煙の断片が漂っている。左下には血の滴りも見える。いや、これは塗料の吹きつけの際にできたペンキの汚れだろう。そう言ってしまうと、とたんに幻想世界から現実に引き戻されてしまう。すみません。

これは何だろう?

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魔法の煙を浴びた岩が変形して蛇の妖怪が誕生したところだろうか。砕け散った岩の破片がそれぞれ別の妖怪となり、それらがからみ合っている。

するとそこに突然美女が現れた。

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「美女たち」で紹介しなかった作品だ。それもそのはず、彼女の背後にはぴったり寄り添うように骸骨の悪魔が控えている。彼女はそれに気づかないのか、それとも無視しているのか、微笑を浮かべている。左上に浮遊している天使からは天上の音楽で祝福すら受けているようだ。善悪が呉越同舟して、複雑な感情を呼ぶ作品だ。

この作品の右側に「月の女、白獅子と共に」という文字が読める。

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この白獅子は崇高な顔立ちをしている。月の女を守るに相応しい器量だ。赤いものは身にまとった礼服であろうか。何やら怪しい物語が語られそうな場面である。

読売新聞の記事で紹介された作品の左側にいるのがこの悪魔だ。

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様々な動物が合体したようなそのいでたちはグロテスクだが、笑顔は以外に愛嬌がある。名状しがたい妖異の中にユーモアが滲み出て、それがこの作品を奥深いものにしている。

この壁画は、何と多様な作品で構成されていることだろうか。

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