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2008年9月 7日 (日)

ライオネル・ファイニンガー展

2008年9月7日(日)
「ライオネル・ファイニンガー展 光の結晶」(横須賀美術館)に行った。

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学生の頃、近代美術史の本にファイニンガーの作品が載っていて、一目で惚れ込み、それ以来最も好きな画家の一人になった。しかしン?十年の間、日本で一度も個展が開催されず、もう一生この作家の作品をまとめて観る機会は無いのかなと思っていた。それだけに今回の展覧会開催は本当に嬉しかった。

そして実際に観たファイニンガー作品は期待をまったく裏切らず、素晴らしかった。キュビズム命の私は、もちろんキュビズムで描かれた作品を最も楽しんだ。また、他の手法であっても小気味よい直線が活かされた作品が好ましく感じられた。

なかでも特に良かったのはチラシの表紙で紹介されている「街にそびえる教会」だ。この作品および私がなぜファイニンガーが好きかということについては、カタログに後藤文子さんが書かれた解説がすべてを物語っているので、そのポイントを列挙してみる。(言い回しは変えてあります。)

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1.音楽とファイニンガー

ファイニンガーはピアノ、ハルモニウム(パイプオルガンを小規模にしたような楽器)、ヴァイオリンを演奏しただけでなく、作曲にも手を染めた。フーガのような対位法を好んだ。

2.音楽と絵画の共鳴
対位法における多声部の進行を、絵画で表現してみた。透明な色面が少しずつ色調を変えて重層的に重なりあいながら画面にリズムをもたらしている。

以上のような要素が、この「街にそびえる教会」に結実している。そして、音楽ではフーガなど対位法技法を好み、絵画ではキュビズム命の私がファイニンガーのファンになるのは当然というわけだ。

ファイニンガーにかかると、ただの河口を描いた絵が崇高なる風景に昇華する(チラシ裏に紹介された「レガ川河口Ⅲ」)。

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ただのビル群も芸術的香りが高い異世界の風景に一変する(同じくチラシ裏に紹介された「マンハッタンⅡ」)。

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素晴らしい展覧会だった。会期中に行けて本当によかった。

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