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2008年9月11日 (木)

東横架線跡壁画:抽象たち

大好きな抽象がまだ残っていた。

抽象絵画にもいろいろあるが、自然物を組み合わせてゆくうちに抽象的構成美が生まれる場合がある。

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この作品あたりが該当しそうだ。一見、植物の弦(つる)が壁をつたって延びてゆく様に見える。モノトーンで統一され、形状は抽象化が進められているので上品さがある。しかしその中に自然物の発するオーラも感じられる。面白い作品だ。

構成されるのは自然物ばかりではない。

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これはスパナのような工具などを組合わせたものであろうか。構成物のモデルがあるとしたら、それは明らかに人工物だ。金属製の部品がぎっしり組み合わされたような感じだ。殆どが赤色。その背後にさりげなく置かれた緑。ここにも補色関係の効果が活用されている。

自然物と人工物の中間みたいなものもあった。

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これは掘り出された恐竜の骨を並べ直したようにも見えるし、壊れたマネキンの骨格のジョイントをいったん外し、もう一度嵌めなおす作業の途中にも見える。何となくユーモラスで楽しめる。

もはや物ではなく抽象的形態を構成したものもある。

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この作品は三角形状の形を組合わせている。あいにく風雨に晒(さら)されて剥げ落ちが目立つが、それも見方によっては作品の渋みを増しているとも思える。赤と黒、この組み合わせは洒落ている。人々に永遠に愛される色のカップルだろう。

組み合わせが進むと、縦横無尽に配置が進み、一見ごちゃごちゃした感じになる。

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ギョロっとした丸い目を持つ動物を描いた布(または紙)をずたずたに引き裂き、それらを再構築したような作品に見える。目移りして落ち着きがない作品に見えるが、なかなかどうして立派な構成だと思う。無彩色のなかに巧みに配置された水色の部分がばらばらな画面に秩序を与えている。

さらに進むとサイケデリックになる。

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この作品は一見ペンキを無造作にばらまいたように見えるが、よく見ると沢山の棒状のものが輪を形成し、作品に重心や方向性をもたらしていることがわかる。左下のピカっと光る星のようなものが控えめに配置されているあたりがにくい。愛すべき作品だ。

最後に再び落ち着きを取り戻したくなった。

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この作品はもしかすると漫画を模した人間の顔を描いたものかもしれない。しかしその邪念を振り払うと、そこには静寂がある。赤い興奮する色で描かれているのに、である。不思議な二重、三重構造を持った作品に見えてしかたがない。(作者の意図は違うかもしれないが)

こうして壁画の中に抽象を見つけ、満足して帰った。

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