アンドレ・ボーシャンとグランマ・モーゼス
「アンドレ・ボーシャンとグランマ・モーゼス」(損保ジャパン東郷青児美術館)に行った。
チラシに取り上げられた「ラヴァルダンの城の前、丸いフルーツ皿に乗った果物と花々」に代表されるように、ボーシャンというと遠近法を無視して描く巨大な果物をまず想い出す。実際その通りなのだが、今回それとは異なる魅力を発見した。「バラ色の花瓶の花」という作品がその証だ。
ここに描かれた花々は何とも奇妙だ。静的なのだがざわざわした動きを感じ、上品なのに熱帯のジャングルで遭遇しそうな原色ぎらぎらの派手な花をうっすら連想させる。このように二つの相反する要素を両性具有のように併せ持っているのだ。こんな不可思議な花の絵は初めてだ。これはボーシャンの技術というより先天的な感受性がその基盤にあるとしか思えない。
一方、モーゼスおばあさんもにも、手前より後ろの人物のほうが大きく描かれたりして遠近法に逆行する作品が多い。そういう点では両者は共通項があるといえよう。のんびりした牧歌的な感じも相通じるものがある。なるほど、両アーティストの作品をまとめて紹介する意義はそういうところにあったのか。
二人の作品を観ていると、何か暖かいものに包まれている感じがする。敬服するかどうかは別として、愛すべき二人の芸術家だ。
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