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2008年5月12日 (月)

国展:岩崎幸之助の「水太鼓」

2008年5月11日(日)
もともと「国展」は岩崎幸之助の水太鼓がお目当てだった。

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「水太鼓」シリーズは、今回で12作目を数えるという。観ても美しいし楽器にもなる優れ物だ。作品の下には「穴をふさぐように叩いてみて!」というメッセージが添えられている。

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書かれた通り、穴をふさぐように叩くと高・低さまざまな音が出る。素手でも音を出せるが「へら」のような器具で叩くともっと大きな音を発して面白い。子供たちが喜んで叩いていた。展覧会ではほとんどの場合、作品に触ることを禁じられるが、これはうれしい例外だ。五感を総動員して味わう芸術は本当に楽しい。

ある穴を叩くと、少し離れた別の穴から音が出るという仕掛けもあった。これは2つの穴が作品の中でトンネルのように繋がっているからだとか。それが気道になるのだろう。でも、そのような曲線を描く穴をどうやって掘ったんだろう?これはかなり難しい技術なのではないかと思った。

音の出る構造も興味深いが、一般の彫刻作品のように観るだけでも渋くて深みのある作品だ。全体は中世ヨーロッパの城のように見える。周囲を城壁がぐるっと取り囲んでいるが、縦縞の模様が小気味いいリズムを奏でている。上部にある2つの丸い部分は低めの尖塔か。手で簡単にぐるぐる回せるのがまた楽しい。そして城の庭には大きな池があるという寸法だ。豊かな水をたたえた中庭を観ながら王様とお后様がくつろげる空間がそこにある。

ところでこの「水太鼓」という作品名は今まで何も違和感を感じなかったのだが、よくよく考えてみると不思議な名前だ。石で出来た彫刻なのだから「石太鼓」と呼んでもいいのではないか・・・とも思ったけど、やはり「水太鼓」のほうがすわりがいいなあ。「水を張った石の太鼓」というような意味なんだね。それに「水」という文字を含むとすがすがしい感じが出るし。というわけで、めぐりめぐって「水太鼓」が最もこの作品に相応しい名前だとあらためて認識した。初夏に相応しい作品だ。

今後、13番目、14番目の水太鼓はどんな形をしているだろうか。楽しみだ。

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