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2008年5月24日 (土)

中西夏之回顧展

2008年5月24日(土)
「中西夏之 新作展:絵画の鎖・光の森」(渋谷区立松涛美術館)に行った。

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「ハイ・レッド・センター」のメンバー中、高松次郎は特色ある影の絵が忘れられないし、赤瀬川源平は「トマソン」など路上観察で楽しませてくれている。しかしこの中西夏之だけはどうも印象が薄くぱっとしないのはなぜだろう?今回の展覧会はその疑問を解くヒントが得られるかと思ってでかけた。

そして展示作品を観た結果(ある程度予想していたが)、やはり面白いとは感じられなかった。誠に残念なことだが、その理由は何だろう?

私は中西の作品の背後にあるコンセプトが「難しすぎる」からではないかと考えた。会場には中西の言葉が掲示されている。それらは哲学的、衒学的で少々理屈っぽく響いている。読み解こうと思っても、さぁっと読んだだけでは届かず、吟味しながら読まないと意味を追えないのだ。これでは作品を楽しむ前に疲れてしまう。

これに対して赤瀬川はトマソンの写真を、それらしいタイトルと共に見せ「どうだい、面白いだろう?」とニコニコ笑っている、という印象なのだ。難しく考えることは何もない。ただ直感的に「面白い」と感じ取ればそれでその作品の存在価値が守られるのだ。高松も同様である。

このような差異により、中西作品が「置いてけぼり」になっていったのではないか。今回の松涛美術館の企画は、その中西作品に光を当て、再評価してゆこうという取り組みの意欲を感じさせて好感が持てた。ただ残念なことに、肝心の作品に対する興味・愛情がなかなか沸いてこないというのが多くの鑑賞者の感想ではないかと推測する。

実はこの展覧会の後、渋谷(始点)から東急線・みなとみらい線を経て終点まで行き、「澁澤龍彦回顧展」を観に行ったのだが、そこで中西作品に再会したのだ。その感想は別記事で。

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