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2008年4月 1日 (火)

石が浮く:サクサベウシオ展

2008年3月29日(土)
「サクサベウシオ展」(横浜創造界隈ZAIM)に行った。

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「浮石 – FLOATING STONES」と題された作品は、文字通り石を宙に浮かせた空間構成だ。

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石と鉄板の組み合わせと言えば「コンセプチュアル・アート」の旗手、李禹煥(リ・ウファン)の作品を思い出す。石と鉄板の間に感じる緊張感のような感じを「関係項」などというコンセプトで繋ぎ合わせている。これに対し、サクサベの場合は作品そのものが自立し、その構成体を直感的に美しいと感じ取ることができる。しかしそれだけなら他にも類似の作品がいくらでもある。

サクサベの場合は、もちろん作品自体を純粋に美しいと感じても構わないわけだが、鑑賞者が何かを感じ、考え、議論したくなるようなオーラを発散しているようなのだ。作品がきっかけ、あるいはトリガーとなって観た人にコンセプチュアルなものを抱かせる媒体の役目を果たすわけだ。

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私はこれを「誘発するコンセプチュアル・アート」と呼びたい。作家がコンセプトを押し付けるのではなく、鑑賞者側が能動的にコンセプチュアルなものをセンスする誘発剤としての作品と考えるのだ。

私自身もそのような衝動にかられ、幸運にも作家自身にそのような議論を持ちかける機会を得た。石と鉄板を吊っているワイヤーを、照明技術などにより消し去ったらどうなるかという話題だ。私は、やはりワイヤーが見えていた方がいいかなと漠然とした言い方に留まった。

ところが別の鑑賞者が一歩進んで、実はこの作品の中心は石でも鉄板でもなくワイヤーのほうではないか、という進んだ意見を出していた。後でカタログを読んだら同じような解説が載っていた。ワイヤーが重力を感じさせ、構成感を出すので、石や鉄板はむしろ添え物なのか。これは面白い見方だと思った。

Dscf1177

また素材についてはどう考えようか。サクサベの作品は石という自然物と鉄板、ワイヤーという人工物の混成で制作されている。これはどのような効果を生むのだろうか?

試みにサクサベ作品の石を鉄アレイに置き換えてみたらどうなるだろうか?人々は鉄アレイが天然石と同じく大変重く、普通なら宙に浮くことはないことを知っている。それではサクサベ作品の石の部分に鉄アレイを付けた作品を思い浮かべてみよう。

もともと構成感の強い作品だから、鉄アレイ、鉄板、鉄のワイヤーという鉄づくしの構成でも作品として観賞に耐えるものが出来るだろう。しかし、どこか違うようだ。それは何か?それが判明すればサクサベ作品の魅力が解明できるというものだ。

サクサベ作品はZAIM地下のライブ会場にも設置されていた。私も翌日のライブに出演したのだが、見事に音楽ライブと立体アートとのコラボレーションが実現した。

Dscf1230

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コメント

Sierra Artista は今回で一段落です。
3回とも来て頂いて有難う御座いました。
また、なにか演りましょう。

Sierra Artistaでは大変お世話になりました。楽しかったし、何か自分の世界が広がった感じがします。

今後の活動も、自分が出演しなくても聴いて観るだけで面白いので足を運びたいです。

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