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2008年4月30日 (水)

国宝 薬師寺展

2008年4月30日(水)
「国宝 薬師寺展」(東京国立博物館)に行った。

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渋い内容なので空いてるだろうと思ったら、なんと大入り満員だった。こんな高尚なものに多くの人が引き付けられるんだから、日本の教養レベルも高いなと思った。私は正直なところ友人の勧めもあり、また招待券も手に入れたので足を運んだのだ。

展示内容は、残念ながら私のような基礎知識がない者にとってはレベルが高すぎて理解できなかった。それらの展示物のなかで、知識の裏打ちがなくても直感だけで楽しめたのは「仏足石」だ。個々の文様が変化に富んでおり、かつ全体の構成感が素晴らしい。

「塑像残欠」は、ずらり並べることによりリズム感・構成感が生じて面白かった。他には、「獣身文鬼瓦残欠」など壊れた遺物の残骸も、その形態が不思議と興味を誘った。いずれも仏像などの作品の一部(パーツ)なのだが、パーツは時にして完成品より観ていて面白い。出来上がった物に比べて想像をかきたてられるからだろうか。

絵葉書は、展示物でない作品のほうが面白かった。杉本健吉の「散華(菩提樹)」は、やんわりとした造形に西洋的な構成感を匂わせており、絶品だ。

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小倉遊亀の「散華(梅)」も簡素なたたずまいに深い味わいを感じさせて、これまた素晴らしい。この二人の画家は達者だなあと再認識した。

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2008年4月29日 (火)

藤野には面白いものがいっぱい

2008年4月27日(日)
藤野(神奈川県相模原市藤野町)に行った。いやあ面白い所だなあ。

駅前の坂道を下がりきったT時路には薬屋が土産物屋に変身していた。

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こんな奇妙な物を売っている。最初は薬かと思ったのだが・・・。

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中には地元アーティストが作ったオブジェが潜んでいた。ラベンダーの香りが心地よい。

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「青根緑の休暇村」にようこそ。

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駐車場には美しい花が。

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花壇が駐車場と車道を分離している。花たちよ、お疲れ様。

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ところで「休暇」は漢字で書くのが普通だよね。

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でもこの案内図1つだけは、なぜか「休か村」と漢字かな混じりで書いてある。

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この看板は津久井郡から相模原市津久井町に変わった際、直すのが面倒で単に「郡」を消したと思われる。

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看板の修正が多い町だな。

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近くの河原には石たちが集まって見事な構成を楽しませてくれた。

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木は枝をからませて幻想的なアートを創生していた。

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これでもか、と言わんばかりにからまっている。

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磯部淑の石碑があった。私と同郷で息子さんは高校の先輩だ。

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「遥かな友に」の楽譜が彫られている。よく見ると幽霊みたいなのが見える。あれは写真を撮っているジョヴァンニの姿が映ってるんだよ。

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裏にも文字が彫ってある。ボニー・ジャックスを称えると書いてあるが、ここにも幽霊っぽいジョヴァンニが映ってるな。黒い石はよく磨くと鏡のような働きをするんだね。

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お、これは古井戸か。今度こそ幽霊が出るのか。

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なあんだこんなに小さい土管か。何に使うんだろう?

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というわけで藤野には面白い物がいっぱいあった。またぜひ来たい所だ。

2008年4月24日 (木)

演奏活動(春~秋)

2008年4月24日(木)
春から夏・秋にかけての演奏活動をまとめてみた。

♪6月20日(金)
弦楽器と管楽器の室内楽(仮称)
18:30開演 ラゾーナ川崎プラザソル(入場無料)
トリオレヴリー(ピアノ三重奏)のユニットで
 ドヴォルジャークのピアノ三重奏曲ヘ短調ほか

♪7月6日(日)
サロンコンサートのようなもの(内輪の発表会的色彩が濃い)
14:00頃より 横浜市イギリス館(入場無料)
クワトロ半世紀(弦楽四重奏)のユニットで
 曲目未定だがジョヴァンニの自作自演を考えています。

♪7月26日(土)
100年前のピアノ・サロンコンサート(仮称)
14:00頃より 横浜山手ブラフ18番館(入場無料)
トリオレヴリー(ピアノ三重奏)のユニットで
 ベートーヴェンのピアノ三重奏曲など

♪9月6日(土)
サロンコンサート
14:00開演 横浜市イギリス館(入場無料)
クワトロ半世紀(弦楽四重奏)のユニットで
 コダーイの弦楽四重奏曲第1番(知られざる名曲!)
 ジョヴァンニ自作の弦楽四重奏曲
トリオレヴリー(ピアノ三重奏)のユニットで出演
 (曲目未定)

妻(仮名ジョアンナ)出演のコンサートはこちら

♪6月11日(水)
ピアノとヴァイオリンによる初夏のコンサート
14:00開演 横浜市イギリス館/入場料2,000円
小川智子(ヴァイオリン)とのユニットで
 ヘンデルのヴァイオリンソナタ第6番ほか
後援:クワトロ半世紀です!

2008年4月22日 (火)

行きたい展覧会(春~夏)

行きたい展覧会をまとめてみた。(終了の早い順)

☆中村岳陵展
 511日まで・横須賀美術館
 妻が6月に共演するヴァイオリニスト 小川智子の関係

☆第82回「国展」
 51日~12日まで・国立新美術館
 お目当ては岩崎幸之助の水太鼓(楽器になる石の彫刻)

☆中西夏之新作展
 525日まで・渋谷区立松涛美術館
 ハイ・レッド・センターを愛する者なら行かないと。

☆茂原淳 作陶展
 517日~61日・クラフトショップ俊
 同級生のアーティスト

☆松本千鶴植物画展
 617日~23日・ハスキーズギャラリー(茅ヶ崎)
 同級生のアーティスト

☆ヴラマンク展
 629日まで・損保ジャパン東郷青児美術館
 この画家は昔大好きだった。今でも嫌いじゃない。

☆バウハウス・デッサウ展
 721日まで・東京芸術大学 大学美術館
 このキーワードにはかなわない。

☆エミリー・ウングワレー展
 528日~728日まで・国立新美術館
 アボリジニの芸術には原初的・呪術的な力を感じる。

うーむ、我ながら欲張りだなあ。

2008年4月20日 (日)

春・プリマヴェーラ・コンチェルト

2008年4月19日(土)
「春・プリマヴェーラ・コンチェルト」(栄区民文化センター・リリス)に行った。



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私は通常演奏評を書かない(書けない)代わりに、選曲評を書くようにしている。しかし今回妻がピアノで出演するので怖くて書きにくい(笑)。実績を列挙すると、妻が出演したのは次の通りだ:


♪團伊玖麿作曲(北原白秋作詞)歌曲集「六つの子供の歌」より第4曲「さより」
♪團伊玖麿作曲(谷川俊太郎作詞)歌曲「はる」
♪團伊玖麿作曲(木下順二劇作)オペラ「夕鶴」より
1部 つうのアリア「私の大事な与ひょう」
 *以上は右近史江のソプラノに妻のピアノ


♪モーツアルト作曲「2台のピアノのためのソナタ」ニ長調 K.448
 *柏井良子とのアンサンブル


♪グノー作曲「2台のピアノ8手による歌劇『ファウスト』のワルツ」
 *柏井良子、鶴田隆子、松田裕子(五十音順)とのアンサンブル


團伊玖麿は好きな作曲家なので3曲とも楽しんで聴けた。夕鶴のアリアは冒頭の並行五度が日本的な感じを醸し出していた。

2008年4月14日 (月)

朝日陶芸展

2008年4月14日(月)
「朝日陶芸展」(そごう美術館:横浜)に行った。



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これは面白い展覧会だった。新人陶芸家の登竜門として発展し、今回第45回目を迎えた公募展だ。絵画の分野では「選抜奨励展」を毎回楽しみにしているが、その立体版という感じだ。


会場に散らばった90もの作品は、形、構成、色、素材感がみな異なり強烈な個性を発散させていた。それぞれがみな面白く、楽しい作品ばかりだった。これらの作品の中から優秀な作品が選ばれたわけだが、審査員はさぞ苦労しただろう。


グランプリの「Plaza “」(森山寛二郎作:チラシに掲載)は満場一致に近い形ですんなり決まったようだが、他の賞の選定は難航したと想像できる。

良かったと思ったことは、審査員が、本音で議論し合ったように見えたことだ。審査員一人一人のコメントが掲示されていたが、その中には反駁し合う内容も多々見られた。これはきれいに収めるというつまらない志向ではなく、とことん言いたいことを言って決めようという真剣さの表れだと思う。


審査員の評価と私の好みとを比べてみると、優劣のつけ方が全く異なる。これは絵画の場合とはだいぶ様子が違う。なぜかと考えてみたが、陶芸の場合はその制作過程や素材の扱いなど専門的な要素が大きいからではないか。だから私のような素人が面白いと感じるものが必ずしも専門家の選ぶ優秀作品と一致しないのだろうと思った。


例えば林大作の「POP OF RUINS」は作者が「平面と装飾と立体を組合わせておもしろい物を作りたかった」とメッセージを書いているが、私もとても面白いと感じた。しかし審査員は見向きもしていない。(もっとも入賞はしているから、それなりの評価は受けているはずだが)。


逆に私があまり惹かれなかった西澤伊智朗の「カンブリアの系譜」は何人かの審査員が賞賛を送っていた。作者の実力が劣るなどと決して思っていない。どう考えたらいいかと思っていたら、審査員の一人小川待子が「まず心ひかれた作品だったが、貝というあまりに具象的なかたちが、せっかくの発想の魅力を半減している」というメッセージを書いておられ、「我が意を得たり」だった。


この展覧会は今後毎回行きたい。楽しみがまた一つ増えた。

建築の記憶

2008年3月31日(月)
「建築の記憶 -写真と建築の近現代-」(東京都庭園美術館)を最終日に観た。そしてその日は母の最期の日でもあった。「記憶」という言葉が母の想い出にシンクロするようで、何か超自然的なものを感じる。

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印象に残ったのは石元泰博が桂離宮を撮った作品だ。



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桂離宮がこんなに美しいとは。今まで私は何をしていたのだろう?何もわかっていなかったのではないか?そんな感じを受けた。それほど石元の写真は素晴らしかった。

特に「御腰掛前延段・南から北方を望む」という作品は、様式と色彩の美を最大限に高めて魅せてくれる作品だった。これら石元の作品数点を観ただけでもこの展覧会に来た価値があったと思う。

2008年4月 3日 (木)

誰にでも訪れるもの

母が逝去しました。

直近でコメントを下さった方には大変申し訳ありませんが、お返事などはしばらく出来ない状態です。最近の出来事に関する記事も、しばらくの間はアップできないと思います。その事をご理解戴きたいと思い、報告をいたしました。

また、母の逝去に対するメッセージをご丁寧に下さった場合は、もちろん感謝いたします。しかし、お返事は書けないと思いますので、その点ご了承願います。

2008年4月 1日 (火)

ザイムフェスタ2008

2008年3月29日(土)
サクサベウシオ展は「ザイムフェスタ2008」(横浜創造界隈ZAIM)で行われていた。

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この「横浜創造界隈ZAIM」は何を連想させるだろうか?私は「池袋モンパルナス」を思い出す。新進気鋭のアーティストが経済的、マーケティング的に活路を求めて集結したアジトのような場だ。私は実際にその一室にお邪魔したが、クラブの部室のような懐かしい空気が感じ取れた。

昔、関東財務局に使用されていた建物なので「ZAIM」と命名されたそうだが、確かに古い。漆喰の壁にはヒビが入っている。しかし、そこを拠点としているのはアーティスト達だ。さすがに彼等、彼女等はそのような破損、欠損を逆利用してアートにしてしまう。

造形作家のサクサベが地下へ下る階段の横の壁をご覧なさいと言うので見た。すると、ああら不思議、壁のヒビが地図の道路に見立てられ、アートの雰囲気満載の作品に仕立てられていたのだ。

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ここを拠点としている若いアーティスト達の中から、やがて巨匠が生まれるのだろうか。楽しみだ。

石が浮く:サクサベウシオ展

2008年3月29日(土)
「サクサベウシオ展」(横浜創造界隈ZAIM)に行った。

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「浮石 – FLOATING STONES」と題された作品は、文字通り石を宙に浮かせた空間構成だ。

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石と鉄板の組み合わせと言えば「コンセプチュアル・アート」の旗手、李禹煥(リ・ウファン)の作品を思い出す。石と鉄板の間に感じる緊張感のような感じを「関係項」などというコンセプトで繋ぎ合わせている。これに対し、サクサベの場合は作品そのものが自立し、その構成体を直感的に美しいと感じ取ることができる。しかしそれだけなら他にも類似の作品がいくらでもある。

サクサベの場合は、もちろん作品自体を純粋に美しいと感じても構わないわけだが、鑑賞者が何かを感じ、考え、議論したくなるようなオーラを発散しているようなのだ。作品がきっかけ、あるいはトリガーとなって観た人にコンセプチュアルなものを抱かせる媒体の役目を果たすわけだ。

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私はこれを「誘発するコンセプチュアル・アート」と呼びたい。作家がコンセプトを押し付けるのではなく、鑑賞者側が能動的にコンセプチュアルなものをセンスする誘発剤としての作品と考えるのだ。

私自身もそのような衝動にかられ、幸運にも作家自身にそのような議論を持ちかける機会を得た。石と鉄板を吊っているワイヤーを、照明技術などにより消し去ったらどうなるかという話題だ。私は、やはりワイヤーが見えていた方がいいかなと漠然とした言い方に留まった。

ところが別の鑑賞者が一歩進んで、実はこの作品の中心は石でも鉄板でもなくワイヤーのほうではないか、という進んだ意見を出していた。後でカタログを読んだら同じような解説が載っていた。ワイヤーが重力を感じさせ、構成感を出すので、石や鉄板はむしろ添え物なのか。これは面白い見方だと思った。

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また素材についてはどう考えようか。サクサベの作品は石という自然物と鉄板、ワイヤーという人工物の混成で制作されている。これはどのような効果を生むのだろうか?

試みにサクサベ作品の石を鉄アレイに置き換えてみたらどうなるだろうか?人々は鉄アレイが天然石と同じく大変重く、普通なら宙に浮くことはないことを知っている。それではサクサベ作品の石の部分に鉄アレイを付けた作品を思い浮かべてみよう。

もともと構成感の強い作品だから、鉄アレイ、鉄板、鉄のワイヤーという鉄づくしの構成でも作品として観賞に耐えるものが出来るだろう。しかし、どこか違うようだ。それは何か?それが判明すればサクサベ作品の魅力が解明できるというものだ。

サクサベ作品はZAIM地下のライブ会場にも設置されていた。私も翌日のライブに出演したのだが、見事に音楽ライブと立体アートとのコラボレーションが実現した。

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