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2008年1月15日 (火)

半券の復権その9

2008年1月15日(月)

おなじみF君から年賀をもらった。40年前に新潟県で開催された展覧会の半券だ。今年初めて半券をもらったので「貰い初め」と呼ぼうか。この小さい半券には、実に多くのドラマが封入されている。

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時代背景をみてみよう。
1964年(昭和39年)06月 新潟地震
1967
年(昭和42年)11月 新潟県民会館開館(新潟地震復興義援金を基礎に)
            
その3階に、新潟県美術博物館開館
1968年(昭和43年)07月 松方コレクション展(11万人を超える参観者)
1968年(昭和43年)10月 東京国立近代美術館特別公開展(本半券)

被害は4年前の新潟県中越地震に及ばなかったとはいえ、新潟地震は2千棟近くの家屋が全壊する大惨事を招いた。その復興義捐金で新潟県美術博物館が生まれた。その翌年に開催された松方コレクション展が大盛況となり、復興を形にした。そして同年、その勢いでこの半券の展覧会が開催されたのだ。

この企画をみると「東京一極集中」が気になる。「東京」の所蔵作品を公開するからみんな観においで、という図式だ。40年前だから仕方ないのか。でもそれでは現在はどうだろう。一極集中のはずの東京でさえ「フィラデルフィア美術館展」などが開催されている。東京よりさらに集中している所があるからか。そうは思わないんだがなあ・・・。

私は筋論でいけば美術品はその生まれた土地に主として置かれるべきだと思う。知名度を上げたり、所在をPRするために若干の作品を世界各地にバラまくのは構わないと思うが。しかしこの論を確かなものとするためには世の中のモビリティが高くならないとだめか。つまり人々が世界の他の地域へ安価に速く移動できなければ、ある種の作品は一生眼にすることができなくなるからだ。

この小さな半券ひとつでこれだけの議論に発展してしまった。また機会ある毎に同様の「独り議論」を楽しむとするか。

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