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2008年1月22日 (火)

工芸の力-21世紀の展望

2008年1月22日(火)

「工芸の力 - 21世紀の展望」(東京国立近代美術館 工芸館)に行った。展示点数が少なかったのが不満ではあったが、好みの作品にも出会えたし、新たな発見もあったので良かった。

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田口善明(たぐち よしあき)の美しい飾箱が8点展示されていた。私はこれらのうち、平文蒔絵螺鈿飾箱「春景」(ひょうもん・まきえ・らでん・かざりばこ・しゅんけい)と、チラシの裏に紹介されていた青貝蒔絵飾箱「緑葉」(あおがい・まきえ・かざりばこ・りょくよう)が気に入った。

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2点をひいきにしたのは、抽象的な図柄だからだ。他の作品は海老や扇などが半ば写実的に描かれており、これが私の趣味に合わなかったのだ。細かい長方形、三角形の構成自体が充分美しく、さらに漆や螺鈿の持つ光沢と上品な質感が加わるので、それで充分ではないかと思うのだ。これは好き好きなので仕方ないとは思うが。

福本潮子(ふくもと しほこ)の藍染・絞染作品「銀河」は素晴らしかった。藍色の地の上に星の群れが白抜きのドットで表現されており、どちらかというとその題材と構成は月並みなものだった。しかしそのあたりまえの土俵で、素材感、色彩感だけで勝負した結果、引き込まれるような効果が得られていた。


高見澤英子(たかみざわ ひでこ)の「DAPHNE」と題された3作品は不思議な魅力をたたえていた。ガラスの瓶を飾り立てたオブジェを3つ並べただけなのだが、その空間に何かしら妖艶な雰囲気が漂っている。

ギリシャ神話では、エロスに金の矢で射られたアポロンが、同じく鉛の矢で射られたダフネに求愛するが、ダフネは拒否し続け最後に月桂樹に変身するという話になっている。例えばこの神話を書籍に仕立てたら、高見澤作品の写真が挿絵としてさぞ似合うだろうなと、なぜか納得してしまうのである。

須田悦弘(すだ よしひろ)は窓枠に人工的に作った木の葉を置くというインスタレーションのような作品を発表していた。これらの作品はとてもリアルで、まるで本物の葉のように見えた。コンセプチュアルのDNAを継承している作品であろう。

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