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2007年12月26日 (水)

2007年アート回顧

2007年12月26日(水)
クリスマスを過ぎ、もう今年は展覧会通いが打ち止だろうからアート探訪の成果をまとめてみたくなった。美術展に行った回数は、去年より若干減ったが、それでも51回を数えた。

1.発掘!タイプ
毎年楽しみにしているのが、損保ジャパン東郷青児美術館で開催される★「Domani・明日展」と★「選抜奨励展」の2つだ。どちらも負けず劣らず楽しめ、かつ勉強になる。

2.抽象とキュビズム万歳!タイプ
圧巻は★「岩崎幸之助展」(ギャラリー52:飯田橋)だろう。石で出来た彫刻は、その形を観るだけでも美しいが、を音楽家が叩いたり回したりして音を出すコンサートまで企画され、大変面白かった。★「堂本印象美術館展」(はけの森美術館:小金井)も良かったのだが、お目当ての抽象作品の展示が少なかったのが不満だった。

3.幻想とシュール命!タイプ
★「澁澤龍彦-幻想美術館」(埼玉県立近代美術館:さいたま市)に尽きる。その魅力は説明するだけ野暮というものだろう。併せて小規模ではあったが、★「澁澤龍彦 カマクラの日々」(鎌倉文学館:鎌倉)も味わい深い展覧会だった。また★「光と色・想いでを運ぶ人 有元利夫展」(そごう美術館:横浜)は大好きな作家の作品を多数並べてくれたので嬉しかった。★「堀文子展」(横浜高島屋ギャラリー:横浜)では「地底の風景」などの「半抽象画」(私の造語)と「妖精(クリオネ)と遊ぶ」などの幻想絵画が楽しかった。もはや月並みとなってしまったが、★「スーパーエッシャー展」(Bunkamuraザ・ミュージアム)は楽しかった。

4.彫刻万歳!タイプ
ニューヨークのメトロポリタン美術館と近代美術館で観た★ブランクーシの作品群が圧巻だった。特に「マイアストラ」はいつ観ても変わらぬ魅力を備えてくれている。「空間の鳥」も永遠の美しさを魅せている。

5.建築とデザインの魅力!タイプ
内容の充実度からすると、やはり★「ル・コルビジェ展」(森美術館:六本木)だろう。また★「ブルーノ・タウト展 アルプス建築から桂離宮まで」(ワタリウム美術館:外苑前)も楽しかった。特に絵手紙は、こんなのが書けたら楽しいだろうなと思わせるものだった。★「藤森建築と路上観察」(東京オペラシティアートギャラリー:初台)は赤瀬川源平に通じるトマソン的物体のビデオが面白かった。藤森自身のおしゃべりが、また何ともいえない味を出してたんだな。規模は小さかったが、★「バーナード・リーチ」展(松下電工汐留ミュージアム)は好感が持てるデザインを楽しむことができた。★「JAPAN 西洋館と日本の器」(横浜山手西洋館7館)はテーブルセッティングの魅力を教えてくれた。忘れてはならないのは、ニューヨークで訪れたギャラリー兼店舗★「宮障子&インテリア」だ。オーナーの花房さんとの会話は強く印象に残った。

6.見直した!タイプ
そごう美術館(横浜)では、これまで知らなかったか、あるいは知っていても軽んじていたアーティストの価値を教えてもらった。★「藤城清治 光と影の世界展」は素晴らしかった。特に「残照」の鮮やかさは鮮烈な印象を残した。影絵は絵画・彫刻などに一歩遅れているという先入観を持っていたが、なかなかどうして、見事だ。これまでの御無礼をどうかお許し下さい。もう一つ★「長新太展ナノヨ」を観て、作者を知らなかったことを恥じた。ご存知F君は長新太の影響を多くのアーティストが受けているとすっぱ抜いた。また★「堀木エリ子の世界展」も、和紙と光という古くて新しいテーマの具現化という点で目を開かされた。

7.総合的タイプ
「20世紀美術探検」(国立新美術館)は規模が大きく、多くの作家と作品を楽しめたが、印象が強かったのは「造りながら生きる」かたちのアートを感じさせてくれたコーナーだ。その代表はアンドレア・ジッテルで、砂漠地帯に居を構えて制作に励む姿が印象的だった。また★「フィラデルフィア美術館展」(東京都美術館:上野)はキュビズムの展示が充実していて楽しめた。ここでは、チャールズ・シーラーの「ヨットとヨットレースについて」という見事なキュビズム作品に出会えて良かった。

8.番外編
無理に分類しないほうがいいと思う展覧会をピックアップしてみた。★「鶴岡政男展」(神奈川県立近代美術館)では「射的」という作品が印象的だった。造形感が素晴らしいのだが、戦争に題材を取っているところが気になって仕方がなかった。これを抽象作品として観れば問題ないのだが。★「仙崖センガイ SENGAI」(出光美術館)は「□△○」の作品見たさに足を運んだ。すごいというオーラを感じたが、私の観賞眼が未熟なため、それをどう表現してよいかわからなかった。

以上、2007年のアート観賞を総括してみた。これらの中でどれか一つを選ぶとしたら何になるだろうか。やはりニューヨークで再会できたブランクーシの作品かな。国内の展覧会で選ぶとすれば、「澁澤龍彦-幻想美術館」だろう。今年もいろいろ収穫があって良かった。来年がまた楽しみだ。

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コメント

私の今年の展覧会鑑賞は地方への遠征が多く、
首都圏でのものはあまり熱心に通えませんでした。
ジョヴァンニさんの挙げられている展覧会も未見のものがほとんどです。

「澁澤龍彦-幻想美術館」は、ひとつの小宇宙を構成していて、
充実感がありました。
「藤森建築と路上観察」は楽しかったですね。
あのスライド・ショー笑いました。

「ル・コルビュジエ展」は、原寸大の模型に圧倒されました。
最も集中して鑑賞した展覧会のひとつです。

テツさんコメントありがとうございました。

藤森建築のスライドの面白さを共感できて嬉しいです。まあ「トマソン」仲間なら自然に通じ合うでしょうけど。来春は即興演奏でご一緒できそうですね。楽しみにしています。

ジョヴァンニさん、こんばんは。年もいよいよ押し詰まりましたね。

2日ほど前に、□△○は良寛が書いたんだったかな? などと考える機会があったのですが、良寛ではなくて仙崖でしたね。そういえば、出光美術館で見たように思います。

ところで、先日、よい話があった旨、私のブログでコメントしましたが、それは1月2日・3日の東フィルのニューイヤーコンサートのプログラムに文字絵を9点載せてもらえるということでした。新作と未発表のものを1月2日と3日に3点ずつブログにアップする予定ですので、見ていただけましたら幸いです。

こもへじさん、ニューイヤーコンサートのプログラムに掲載は快挙ですね!おめでとうございます。

文字絵は本当に素晴らしいと思います。無理な宣伝をしなくても評価が高まってゆくことでしょう。今回の掲載はそれを後押しするものですね。よかった。

ジョヴァンニさん、本年もよろしくお願いいたします。プログラムの現物はまだ見ていないのですが、送られてくるのが楽しみです。では、また。

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■アート 今年は何しろアート・ツアーを重ねた1年だった。旅先で体験したアートはやはり印象に強く残る。順位はつけがたいので、鑑賞した順に記憶に残るアート体験を挙げていく。 ・イサムノグチ庭園美術館(香川) かつて藤森照信が著書「美術館三昧」で...... [続きを読む]

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