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2007年10月13日 (土)

堀文子展

2007年10月12日(金)
「画業70年 自然と共に生きて 堀文子展」(横浜高島屋ギャラリー)に行った。きっかけは「新日曜美術館」での紹介だ。だが強力なトリガーとなったのは、おなじみ「F君」がチラシと絵葉書を送ってくれたからだ。

Photo

作品は期待以上に素晴らしかった。私の趣味は抽象画とシュールなので、堀文子の画業全体のなかで好みの作品は少数派だったが、それでも楽しめた。

最も気に入ったのは線刻で構成された作品で、チラシの裏に紹介されている「甲骨文字」(2004)はそれらの代表だ。

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しかし私は文字ではなく単なる線刻だけで構成された「地吹雪」、「亀裂」、「水のかたち」(いずれも2001年)の3作品のほうにより惹かれるものがあった。一つ一つの線に堀文子が丹精込めた跡がうかがえて、人間的な側面を感じる。一方、それらの線刻がたくさん集まった全体象を眺めると、そこには無機的な抽象構成がある。その両極を同時に楽しめるのがこれらの作品だ。

その次に面白いと思ったのはデカルコマニーによるシュールっぽい作品だ。絵葉書になっている「地底の風景」(1963年)がその代表だ。

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異界を描いた作品だがグロテスクさは無い。控え気味の色調で、むしろ気品を感じさせる。「魔王の館」、「うつろな神々」(いずれも翌年の1964年)などがこのグループに属するが、いずれも作品名に対して実際の作品は抑制が効いた上品な画面である。絵葉書は「F君」からもらった。

これらのシュールっぽい作品は、花と風景など堀文子の主流作品と比べると、悪ふざけで恐縮だが「別人28号」が描いたとしか思えないほど作風が異なっている。そういえば先に紹介した「甲骨文字」との間に38年も開きがあることを思い返して彼女の画業の長さとその変遷の著しさを思った。

一方、動物を題材にした作品は鮮やかな色彩で楽しい作品が多い。「新日曜美術館」でも紹介され絵葉書になっている「極微の宇宙に生きるものたちⅡ」(2002年)などだ。

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ミジンコなどの微生物がクレーの絵のように構成されていて楽しい。濃紺のバックの上に色鮮やかな生物たちが泳ぎまわっている。動きもあるが、どちらかというと静寂を感じさせる画面だ。顕微鏡で視る世界だからかな。

クリオネを題材にした作品もある。「妖精(クリオネ)と遊ぶ」(2003年)だ。

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クリオネを中心に据え、その周辺に海の生物を配した構成が楽しい。またクリオネがいる中心部に矩形を配することにより画面が引き締まっている。たくさんの色を使っているように感じるが、色調は以外と抑え気味で渋い。絵葉書になっており「F君」が送ってくれた。

「鳥達の歌」(2002)もいい。

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鳥に加え曲線が織り成す構成が美しく、印象に残る作品だった。また画面全体が下から上に色のグラデュエーションが施されており、構成感を強めている。同じく絵葉書で「F君」からもらった。

今回も「F君」に大変お世話になってしまった。ありがとう。

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コメント

ご無沙汰しています。石彫をやっている岩崎です。
堀文子展、私も入場券を貰って観にいきました。なかなか面白くて、絵はがきなどを買って帰ってきました。
ところで、今度、11月9日より個展を飯田橋の「ギャラリー52」という画廊でやります。よろしければご来廊の程、お願いします。11日には、私の作品で演奏会もあります。
すみません。以前頂いたご連絡先をしまい忘れてしまいました。このような形でのご案内申し訳ありません。DMなどをおおくりしたいので一度メールを頂けますでしょうか?
失礼しました。

岩崎さんご無沙汰ですね。すみませんがアドレスを失念しました。お手数で申し訳ありませんが私のアドレスを開示しましたのでメールを入れて頂けませんか?空メールでいいです。
個展は時間さえ空けば必ず行きます。予定を一つどければいいのでトライしてみます。

ジョバンニさん、おひさしです。
メールをご開示頂いたとのことで、探したのですがよくわかりませんでした。HPを作りましたので、ご覧になられて下さい。
http://kohnosukeiwasaki.com
ご予定を狂わしてしまい、恐縮です。
よろしくお願いします。

岩崎さん大変失礼しました。コメント欄を電子メールと勘違いして、ただ送れば当方のアドレスが開示されると思っていたのです。(おバカさんのジョヴァンニでした)。

展覧会の情報は確認しましたのでぜひ行きたく存じます。楽しみです。

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