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2007年10月18日 (木)

半券の復権その7 昭和29年のフランス美術展

おなじみF君から超ド級の贈り物をもらってしまった。「フランス美術展」の半券とカタログだ。なあんだ、言うなかれ。昭和29年(1954年)国立博物館で開催された展覧会の「遺物」なのだ。そしてこの半券には沢山の興味深い情報が秘められているのだ。

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半券は現在と比べると質素だ。掲載されている絵も有名作品とは言い難い。(ドガの素描らしいが。)油絵作品を載せられなかった理由は著作権・出版権だろうか?いや、当時の印刷技術と予算の問題だったのではないか。

入場料\200というのは安く感じるが、当時の物価からすると高額だっただろうな、と思い、さっそく「戦後値段史年表」(朝日文庫)で当時の物価を調べてみた。

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映画館入場料:\100
カレーライス:\100
コーヒー(喫茶店):\50
ガソリン(1)\39

なんと意外や意外、現在のレベルより若干高い程度だ。国が支援したので入場料を廉価に抑えることができたのだろう。

半券の裏を見ると「御注意」が並んでいる。これらの注意事項のほとんどが戦後復興中の世相を反映している。

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その中で面白いのが5.だ。
「会場内での写真撮影、模写などをお断りします。万年筆、毛筆等の使用は御遠慮下さい。」と書いてある。この「毛筆」に注目。そうか、当時は毛筆を携帯して屋内(博物館の中)でも使いだす人がいたんだな。現代ならボールペンやシャーペンが主流だけど。

半券の表に戻ろう。開催場所として「上野公園東京国立博物館」とある。東京の国立博物館は上野に決まってるじゃんか、というのは現代の感覚かもしれない。「上野公園の中ですよ」と書いてあげないと、場所がわからない人が多かったのだろう。

考えてみれば昭和29年といえば戦後まだ10年程度しか経ってない時期だ。そんな時に、このように大々的な展覧会が開催されたんだから、日本の戦後復興はすごいと思う。というわけで、この小さい半券から多くのことを学ぶことができた。F君ありがとう。

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