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2007年9月17日 (月)

米国旅行:近代美術館で観た未来派作品

2007年8月24日(金)

ニューヨーク近代美術館にて

「未来派」に特化した展覧会は異常に少ない。私のウン十年にわたる美術遍歴の中でもただ1回のみ、2000年春に東京都庭園美術館で開催された「デペロの未来派芸術展」だけだ。

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しかしこれは未来派の全貌というよりは、デペロという一人の作家に特定した個展だったから、未来派そのものの展覧会は結局一度もお目にかかったことが無かったのだ。

これはどういう事かと考えてみた結果、未来派は活動が短命に終わったので作品数が少なく、全体をまとめる企画が立てにくいのではないかと考えた。でもキュービズムと共に未来派は大好きだから、作品を一堂に会する企画はないかなと日頃思っていた。

今回ニューヨークの近代美術館を十何年かぶりに訪ねてみたら、未来派のコーナーこそ無かったが、関連作品が隣接して展示されていたので、ある程度まとまった形で観賞できた。まあこれぐらいが限度なのかなと思い、限られた時間の中で楽しんだ。

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ジャーコモ・バルラの「Swifts: Path of Movement + Dynamic Sequences」は日本語の定訳がわからない。「Swift」は名詞なら「アマツバメ」や「コウモリガ」という羽を持って飛ぶ動物という意味だ。ここでは「s」が付いているから名詞だと思う。しかし形容詞だと「素早い」という意味だ。むむ、これはもしかして言葉の遊びか?羽を持つ動物が素早く飛んでいるという情景を、表題と未来派の技法の画面の両方でもって表現したものなのだろうか。「Path of Movement」は「運動の軌跡」、「Dynamic Sequences」は「動的な連続」というような意味を列挙したものだ。以上を総合すると、何となくこの絵を描いた意図が伝わってくる。

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カルロ・カッラの「アナーキスト・ギャリの葬儀」はなんとも強烈な画面だ。政治的活動の激しさという社会的視点と、未来派の構成技法とが出会った結果、このような作品が生まれたのだろう。革命が芸術の源となった事例として貴重な作品かと思う。

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セヴェリーニの「タバラン踊りのダイナミックな象形文字」はキャンバス一杯に踊り子が舞うエネルギーが満ち溢れているようで素晴らしい。「ポルカ」「ワルツ」などの文字が散りばめられ、それらに目をとめることによりチラチラする模様から一時的に退避できる。そしてまた目を周辺に戻すと、踊り子の躍動感が復活するという感じがした。そういう観賞のしかたもあっていいじゃないかと思った。

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ボッチオーニの「サッカー選手のダイナミズム」を撮ろうと思ったら、サッカーが大好きかと思われる美女が目の前をよぎった。ハッとして手が震え、ピンボケになったので仕切り直しになった。

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この作品は完全抽象に近い。カメラを縦か横か、どちらに構えたか忘れると上下左右がわからなくなる。しかし先ほどの女性のお陰で、正しい方向を見失わずにすんだ。もっとも、正しい方向に展示されているという前提に立っての話だが(笑)。この作品、サッカー選手よりジョージア・オキーフばりの巨大な花弁にも見えるな。

これらの4作品が並んで展示されていたのだ。何てことないかもしれないが、私にとっては貴重な場だった。企画展以外で、未来派作品だけをまとまって観るところがほとんど無いだろうから。

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