第30回記念・紀声会コンサート
第30回記念「紀声会コンサート」(横浜みなとみらいホール小ホール)に行った。国立音大の岩崎由紀子教授が主宰する声楽グループの発表会なのだが、プロの歌手がずらり揃っているのでレベル的には立派なコンサートだ。妻がピアノで3人の歌手の相方を務めた。その3人目はトリだから重要な役割を担わされたわけだ。
私は「ピアノ伴奏」という呼称が嫌いである。和音を並べたような単純な伴奏音型だけで出来ている場合は伴奏と呼んでも構わない。しかし、歌曲などでピアノパートがしっかり構成されている場合は、伴奏ではなく歌とのアンサンブルと呼びたい。オペラアリアなど本来オーケストラのところをピアノに編曲した場合は、その編曲の出来具合で伴奏レベルに留まったり、アンサンブルのレベルに昇格すると思う。自分が出演しないのに御託を並べても仕方ないので、いつもの「選曲評」でも展開しようかな。
全体は第Ⅰ部から第Ⅲ部までの3つに分けられている。第Ⅰ部は大学在学中の人を含む若手の発表会らしい。オペラアリア中心だ。第Ⅱ部は日本歌曲専門コーナーのようだった。そして第Ⅲ部は再びオペラアリアで、第Ⅰ部より経験豊富なヴェテランが登場、という流れだ。なお、第Ⅱ部と第Ⅲ部は得意ジャンルが異なるだけで、力量の点では拮抗しているようにみえた。私は仕事の関係で第Ⅱ部からしか聴けなかったが、妻の出番は3回とも聴けたので良かった。
選曲だが、第Ⅰ部では私が興味を持っているレスピーギやシャルパンティエが取り上げられていたのに対し、第Ⅲ部はヴェルディ、プッチーニ、モーツアルトなど定番ばかりだった。選曲の点では若手の第Ⅰ部のほうが面白そうだったな。この理由は、若手は知名度の低い曲であらが目立たないようにするが、ヴェテランは誰でも知っている曲で勝負!ということなのだろうか?
また日本歌曲の第Ⅱ部では、私の好きな高田三郎の曲もあったし、一目置いている平井康三郎、山田耕筰もあり多彩だった。平井康三郎はメロディー作りを除くと、構成は西洋音楽そのものに聴こえる。その点、山田耕筰は西洋でも日本でもない、独自の世界を一生懸命模索したように思える。また中田喜直は合唱曲に駄作が多いので軽く見ていたのだが、歌曲には光るものがあるようだ。見直さなければいけないか。
玉井明の「雪燃え」が第Ⅱ、Ⅲ部で2人の歌手に取り上げられていた。この曲は知らなかったのだが、最近声楽家のなかで人気が上昇した曲なのだろうか。減七の和音を少し変化させてゆくなど近代的な響きがちょっぴりしたが、ベースは古典的書法で目新しさは感じられなかった。
演奏はみんな素晴らしかったです。























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