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2007年6月14日 (木)

チラシらしさ その2

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これは今は無き西武美術館で1980年に開催された「デューラー版画展」のチラシだ。現在の展覧会チラシはA4版が主流だが、この頃はこのようにB5版が多かった。この色合いは渋く重厚でなかなかいいではないか。「幻想的予言と祈りの世界」という副題も雰囲気を良く表現していると思う。
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そしてこれは半券。現在ではチラシに描かれた文言(タイトルだけでなく副題なども)が半券にも刷られることが多い。しかしこの半券では省かれている。スペースが小さいこともあるだろうが、当時はそれでよしとしていたのかもしれない。

それにしても不思議なのは両者に採用された図版だ。チラシが「サテュロスの家族」で半券があの有名な「メランコリア」(部分)だ。前にも同じような意見を書いたけど、チラシが人寄せの目的を担わされているのなら、これらは逆にするのが普通だろう。つまりチラシに「メランコリア」を載せて人目を引き、来場へと誘致するのだ。しかも半券はスペースが小さいため、せっかくのメランコリアがほんの一部分しか紹介されていない。こんなもったいない使い方をして良かったんだろうか?疑問だ。
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チラシの裏面を見てみると、これも現在のものとは様相が異なる。なんだか美術の教科書の一ページみたいだ。図版が端正に並べられ、誠実な内容の解説が付けられている。気軽に楽しむというよりは、もっとストイックに「美術館に勉強しに来る」という印象を受ける。このあたりがよしも悪しきも「軽い」現在とだいぶ違う。

チラシは面白い。チラシの変遷を辿って「チラシ史」でも編纂したら面白いだろうな。あるいは「チラシと半券の格闘史」というテーマも追ってみたい。最近はどうもスペースが小さい半券が「復権」して個性豊かになってしまい、チラシが逆に押され気味のように思う。だからチラシを応援したくなってしまうんだ。これって「判官びいき」と言うんだろうか。

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コメント

これはなつかしいです!! このデューラー展には初日の1月2日に行き、あまりのすごさに息をのみました。デューラー、すごすぎ!!! 「メランコリア I 」と「騎士と死と悪魔」を見た時の衝撃は忘れられません。人間てこんなすごい(細かい)ものが描けるんだ......とただただ圧倒され、感動していました。もちろん幻想的な画面にもひかれましたが。若かったなあ...。いつもながら、retrospectiveなこもへじの感想でした。失礼しました(^^;)。

こもへじさん、ということは「80年代の若者」同志ということになりますか。何歳から何歳までが若者かという定義も関係するので難しいですが。まあそのへんはお互いのためにごまかしましょう(笑)。

そうしましょう、そうしましょう(笑)...。

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