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2007年3月19日 (月)

半券の復権 その3

Photo_57

これは1998年に横浜美術館で開催された「ロシア・アヴァンギャルドと舞台芸術」展の半券だ。このデザインで気に入ったのは、絵の部分を左右に思い切り広げた点だ。その分、展覧会の名称が片隅に追いやられてしまった。しかし、文字そのものを視覚的にデザインすることにより、アンバランスさを消し、魅力ある構成に変えているところは見事だと思う。取り上げた絵も楽しげな抽象で心地よい。

この展覧会に行った動機は、抽象絵画の誕生の過程で、構成主義などロシアの果たした役割が非常に大きいと知識では知っていても作品に触れる機会が少なかったことだ。そして今回の展覧会を通じて、おおげさに言えばミッシング・リンクを繋いだほど収穫があった。

例えばこの半券はイワン・クドリャショーフの「オレンブルクの第一ソヴィエト劇場の内装デザイン」だそうだが、1920年の作品である。1910年あたりで未来派やキュビズムが盛んだったが、そのたった10年後の作品である。その時代で完全な抽象作品を発表しているわけだから、先進性を認めてよいのではないかと思う。

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