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2007年3月 3日 (土)

20世紀美術探検 ②マレーヴィチのティーセット

「20世紀美術探検」は続く。今回はマレーヴチとロトチェンコのティーセットを取り上げよう。
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マレーヴィチというとまず思い出すのは(今回展示されてはいないが)正方形シリーズだろう。シュプレマティスムの象徴とでもいえる作品群だ。「黒い正方形」だの、「白の上の赤い正方形」だの、いろいろあるが、ここでは「白の中の白」に登場してもらう。なぜかというと、今回の展示作品と同じ色だからだ。
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それにしても、マレーヴィチにティーセットがあるとは知らなかった。マレーヴィチのことだから、もしかしてティーカップも正方形なんじゃないかな?と一瞬思ったが、考え過ぎだった。カップはちゃんと丸い。しかしティーポットは多少四角ばった複雑な形態をしており、形と構成に凝ってくれたんだなと安心した。
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一方、ロトチェンコの「空間構成 KPS42Ⅳ」は、丸の中に丸、丸、丸・・・。2001年に横浜美術館で開催された「近代彫刻-オブジェの時代展」にも展示されていた。大きさの異なる円環が組み合わされ、完全に幾何学的でありながら詩情漂う傑作だ。
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ロトチェンコにもティーセットがある。こちらは当然丸い。描かれた模様は円と正方形を中心とした組み合わせである。ははあマレーヴィチに敬意を表したんだな、というのはジョヴァンニ流の冗談だけど、ひょっとしてそうかもしれないな。この文様はとても美しい。抽象絵画のようだ。しかし実用品として見たらどうであろうか。赤い円の印象が強烈で、疲れてしまうんじゃないかな。その点、マレーヴィチのほうが純白で実用上も落ち着きがあるような気がしてならない。

これらの活動は何となくバウハウスを想わせる。芸術・工芸と生活の結節点だ。例えば、ロトチェンコのティーポットに描かれた絵は、何となくバウハウスで活躍したオスカー・シュレンマーの「三組のバレエ」の衣装と似ているぞ。

案の定、ロトチェンコはカンディンスキーが設立したロシアのインフク(芸術文化研究所)を拠点として活動したそうだ。その努力がこうしてティーセットのような作品に結実しているんだろう。この時代(1920年代前半)はシュールレアリスム宣言などが飛び出したりして、アーティストたちの心意気が高まったんだろうと思う。

 

 

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