湘南合奏団第14回定期演奏会
湘南合奏団の第14回定期演奏会にチェロパートのエキストラで出演した。メンバーはみなアマチュアと言えども達人揃いなので少し肩身の狭い思いをしたが、なんとか終わってホッとした。私はオーケストラや弦楽合奏では高校以来あまり弾いていないので、合わせるのに苦労した。他の人より早く飛び出して音を出してしまいそうになるんだ。それはなぜかというと、指揮者のタクトを見て音を出してしまうからだ。実際にはコンサートマスターの弓の動きを見て、そちらに合わせなければいけないと誰かから教えられたが、それでもなかなか調整できずにいた。今回は一生懸命合わせたけど、どうだったかな。
<演奏曲目>
モーツアルト「ディヴェルティメント」ニ長調 K.136
バッハ「管弦楽組曲」第2番ロ短調 BWV.1067
武満徹「三つの映画音楽」
カルウォーヴィチ「弦楽のためのセレナーデ」ハ長調 Op.2
モーツアルトは第2楽章の音程で苦労した。ト長調はチェロにとってやりやすい調性のはずだが、なかなかどうしてこれが難しいんだ。普通に調弦したら開放弦に逃れようとしても、純正律のうえでは合わない。結果として、野球に例えると「ボールを置きにいった」ような弾き方になってしまった。客席にいた妻が後で「ボーイングがせせこましくなっていた」と言ったが、確かにその通りだったようだ。
バッハは独奏フルートの音量に合わせて人数を絞ったため私は降り番。客席の後ろで聴くことができた。フルート奏者は旧来の友人で素人フルート名人会2004「名人賞」を受賞したつわものだ。NHKフルート教室に出演したこともある。アンコールで最後の曲「バディネリ」を直前の演奏よりさらに速く、しかも多めに装飾を入れて吹いたので驚いた。メンバーに聞いたらサプライズだったそうだ。彼と指揮者とで示し合わし、みんなには言わずに演奏を始めたのだ。弦はついていくのが大変だった模様。
現代曲を弾く機会はあまりないので、武満徹に取り組むことができて良かった。第3曲目を除くと、近代的な和声だが、かなり調性感が強いことがわかった。映画音楽なので、無調だとそぐわないからだろう。拍子とテンポが目まぐるしく変わるので、ついてゆくのが大変だった。
カルウォーヴィチという作曲家は知らなかった。ポーランドで1876年生まれというと、シマノフスキ(1882年生まれ)と6つ違いでほぼ同年代だが、作風はかなり保守的のようだ。例えばシマノフスキの弦楽四重奏曲第1番Op.37はフィナーレの冒頭に露骨な多調が出現する。露骨というのは、第1ヴァイオリンから順に♯3つ、♯5つ、♭3つ、♯♭無しというように、4つの声部に別々の調号が付けられているからだ。こんなシマノフスキに対してカルウォーヴィチは堂々とハ長調で古典的な構築を見せる。バルトークが「現代でもハ長調で音楽が書ける」と言ったことを地で行っているようだ。
プログラムの最後に演奏者の名前が出ている。パート毎に五十音順に並べているのは公平でいいと思う。そして偶然にもコンサートマスターの名前がちゃんと最初に置かれているんだ。チェロパートも同様、トップの人の名前が先頭に出ている。でも、もし彼等が五十音の後ろのほうの名前の人と交代したらどうなるんだろう・・・と余計な事を考えてしまった。
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