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2007年1月 4日 (木)

有元利夫展

Photo_47 予定外だったが今年最初のアート観賞として、有元利夫展(そごう美術館)に行った。「光と色・想いでを運ぶ人」という洒落た副題が添えられていたが、有元ファンにはそんな細工は必要ない。名前だけ書いてあれば、それで充分だ。4年前に東京ステーションギャラリーでも有元の個展があり、展示作品にはだいぶ重複が見られたが、それでも構わなかった。有元は古今東西で好きなアーティストのベスト10に入る画家だから、その作品は何回観てもいい。

今日は年末年始休み明けの初出勤日だったが退社後、一目散に横浜に向かった。夜8時まで開いているのは嬉しい。まだ一昨日に始まったばかりで開期が2月末まであるから、焦って行く必要はなかったのだが、これにはわけがある。以前、同じ職場にいたF君という友人がいるのだが、年明け早々に彼から書類が届いたのだ。何だろうと開けてみると、この展覧会のチラシだ。これは無言で「行け」と言っているようなものだ。私も友人に絵葉書を送って同じような無言のメッセージを届けることがあるからよくわかる。近々の週末は用事があって忙しいので行けるとしたら夜間しかない。それなら、まだ仕事が暇な今のうちに行っておこう、というので足を運んだのだ。

ちなみにこのF君というのがすごい。どうすごいのかと言うと、美術に造詣が深いのだ。日本画家に関しては、作風の違いをそらんじているし、最近のアーティストについても知識が深い。去年の展覧会の私的ランキングで1位になった柄澤齊展にいたっては、鎌倉に先立ち栃木県立美術館で開催中に「行け」のメッセージを送ってきたんだ。それで栃木まで行きたいなという気分にさせられた。結果的には二人とも行かなかったが、F君というのはそういう人なんだ。

有元利夫は既に高名だし展覧会も没後に何回も開催されているから、今さら私みたいな素人が新しい情報をもたらすことはできない。ただ単に感想や印象を述べるにとどまるが、まあ仕方ないよね。一つ感じたのは前回(4年前の展覧会)では多くの作品が神々しく光輝いて鮮やかに見えたのに比べ、今回は若干色あせて地味に見えたことだ。何点かは前回と同じ作品が展示されていたにもかかわらず、だ。これはなぜだろう?第一印象というものは強烈だから、2度目、3度目は多少インパクトが弱く感じるためだろうか?それもあるかもしれない。あるいは照明など展示会場の条件によるのか?もしかするとそれも働いているかもしれない。だからと言って今回の展覧会が悪いというわけでもないよ、念のためだけど。

___6 作品はどれも素晴らしく甲乙付け難いのだが、好きなのは半券に使われた「花降る日」だ。有元が初めて賞らしい賞(第21回安井賞特別賞)を獲得した実質的デビュー作ともいえる作品で、素人受けするような感じだが大好きだ。バベルの塔がシンボライズされている感じだが、作品名にそういう名称を用いないところが奥ゆかしくていいなあ。これに比べるとブリューゲルの「バベルの塔」なんか、立派な作品で絵そのものは好きなんだけど、作品名があからさまで(直截的で)いやなんだな。よく見るとこの「花降る日」は相当に幻想的風景だよね。それなのにマニエリスム絵画のような暗さがないのが不思議だ。

今回の展示では一つ興味深い作品を見つけた。額が手作りで幾何学的な文様が彫られていたのだ。今日はフィールドノート(展覧会の感想などを書くための携帯ノート)を忘れ、後で図録を見ればわかるだろうと思って作品名をメモしなかった。しかし図録は額無しの写真しか掲載されておらず、どの作品かわからなくなってしまった。どなたか同展に行かれた方でこの事を覚えていて下さったら、作品名を教えて下さい。

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