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2007年1月30日 (火)

実験結果ねつ造で一句

【時々一句】 今日は時事川柳

   紙製の人気が戻る大事典

本当は季語を入れて時事俳句にしたかったんだ。しかし季語が見つからない。「紙衣」という失われた冬の季語があるらしいけど、意味が異なるので使えなかった。「あるある」に対抗して「ナイナイ」を登場させ、バラエティー番組に関係させた内容も考えてみたが、ごちゃごちゃするので止めた。結局シンプルなたたずまいに落ち着いてしまった。まあ仕方ないか。

2007年1月29日 (月)

2冊の「版画藝術」

月曜日はブルーマンデー、憂鬱だ。週末が終わってまた通勤ラッシュの我慢大会が始まる。仮に会社を休んでも美術館は閉まっている。(国立新美術館は開館するそうだが例外だよね。)

_68_

そんな時に友人のF君から荷物が届いた。何だろうと思ったら「版画藝術」68号(19904月発行)だ。なんと「柄澤齊特集」だ。去年の12月に鎌倉で観た展覧会の興奮がまだ冷めないでいたのだが、これは嬉しいプレゼントを戴いた。展覧会の図録に書いてない内容もあるから相互に補完し合って貴重な資料にもなる。F君ありがとう!

_64_ 

実は「版画藝術」は過去に1冊だけ買ったのだが、それは64号で前年(1989年)4月の発行だ。でもなぜ買ったのか記憶にない。イタリア現代版画の特集号なので好きな領域ではあるが、買うなら他にいくらでも候補の書籍・雑誌がある。この号だけ買ったという具体的な理由が思い出せないのだ。まあいいか。当時何かのトリガーがあったんだな、という程度にとどめておこう。いずれにせよ私の蔵書中、1冊きりだった「版画藝術」が100%増しの2冊に増えたんだから喜ばしい限りだ。

Domani・明日展

Domani__1

「行きたい展覧会2007年その1」の一つ「Domani・明日展2007」(損保ジャパン東郷青児美術館)に行った。文化庁が提供する「芸術家在外研修(新進芸術家海外留学制度)」の派遣者による成果発表会のようなものだ。派遣先は西欧(アイルランド、イギリス、イタリア、オランダ、スペイン、ドイツ、ベルギー)、東欧(チェコ、ポーランド、ルーマニア)、アジア(タイ、中国)の12カ国だ。かつて画家の留学先として定番だったフランスや、アート流通で先端をゆく米国を含まないところがミソだ。一点集中ではなく、それぞれの地域で育っているアーティストの個性に触れながら、古い言葉だが自分を発見する場を提供するという趣旨なのだろう。今回の発表作品の中で自分なりにランキングをつけてみようと考えたが、差が僅少なので止めた。順位はつけず、印象深かった作品を取り上げ、その発するオーラの源泉を探ってみようと思った。< >は派遣先です。

_forest_i_1 

加藤正二郎<タイ>の「FOREST  I」は説明を読むまで日本画だとは思わなかった。厚塗りでキャンバスに凹凸があり、てっきり油絵だと思ったのだ。控えめで洗練された色彩を施された森に包み込まれるかのように、一頭の象が立っている。象の周囲は金箔が貼られたように金色に輝いており、この国では象は守護神として崇められているからそれを表現したのだろう。単に造形として観ても美しいし、宗教などのメッセージ性も備えた佳作だと思う。なお加藤の次の言葉には考えさせられてしまった。

「アジア諸国では、日本画は中国画の一種であるという捉え方が一般的です。日本画がローカル・アートからグローバル・アートへと変わってゆくためには、中国や欧米の絵画との相対的関係から脱し、自らをアジア絵画の系譜の先端に位置付けて、現代絵画の進むべき道を示すことが必要です。」(図録より)

上記の言葉に対しては、私などが注釈を付けるまでもないだろう。しっかりした見識と自分の使命というものを考える人だと思った。

_2005_2 

先日鎌倉で観た柄澤齊の木口木版画の余韻がまだ残っているなか、栗田政裕<イタリア>の作品に出会った。「異星人達との会話2005」は柄澤と同じ木口木版画に金属凸版を併用したものだ。精緻な画面はどことなく柄澤作品をほうふつとさせるものがある。柄澤と栗田を比較してみると面白いことがわかる。柄澤が木口木版画という古来の手法に安住する代わりに鮮烈なイマジネーションとシュアな彫りの技術で勝負しているのに対し、栗田は「技法」としての木口木版画に新たな可能性を見出すべく、技術開発に腐心しているらしい。木口木版と金属凸版との併用もその試みの一つだ。

__68 

滝純一<ポーランド>の「葡萄物語(騎士)」は不思議な雰囲気を持っている。葡萄を入れた器の他に、甲冑、グラスなど骨董品的なオブジェが並べられているのだが、それらが載っている面が水平なのか垂直なのか良くわからない。赤茶けた煉瓦のような物が積まれ、格子状の線が縦横に見えるが、縦の線がすべて並行に置かれて消失点がない。遠近法を無視した描き方だ。それが幻想的な感じを醸し出しているのだろう。暗くて渋い色彩は中世の騎士が活躍した時代を表現しているかのようだ。一番下の真ん中に置かれた赤い布は戦で流された血の暗喩なのか。深みのある作品だと思った。

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西房浩二<チェコ>の「異国の便り」は作者自身の解説「画面の中に手を差し入れて、カードにふれたくなるような空間が描きたかった。」に示されたように、一種のトランプルイユ(だまし絵)だ。確かに作品の前に立つと、描かれたカードがまるで本物のように見える。写実の力量がある人なのだろう。横一列に並べられた石膏像、蝶の標本、果物を載せた皿、水さしなどの形状と色が見事なコンポジションを形成し、セザンヌのような構成を感じさせる。なかなかの作品だ。

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佐藤幸代<ルーマニア>の発表作品は3つあり、大きめの「東方」が中央に据えられ、その左右に「しじま」と「たまゆら」が配置され、三部作を構成していた。実は本物を観た時はあまり感心しなかったのだが、帰宅してカタログを開いたら写真のほうがインパクトを感じた。特に「たまゆら」は美しく幻想的なムードを持っており、展示会場でもっと注意深く観れば良かったと後悔した。色が渋くて好感を持ったのだが、実はアクリルの作品だとわかり驚いた。

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高橋洋<ポーランド>は和紙に木版などを施した作品を発表した。墨絵のようにモノクロームに近いが、よく見ると控えめに彩色されている。「雲暦」は雲のような形が格子状に並べられ、一つ一つの形状と色彩が微妙に異なっている。それらが柔らかいリズムを生じさせ、静止しているはずの画面に微かな動きが与えられる。地味ではあるが、奥深い作品だった。

_scenetf0105 

木下恵介<アイルランド>は四角い版画が横一列に並べられ、横長の帯を構成している作品を3点発表した。「Scece-Tf0105」は自宅近くに流れる多摩川の風景を主題とし、その変奏曲を綴って並べた作品だそうだ。5つの部分は具象・抽象の違いや色彩の違いによって変化付けられているが、多摩川という中心テーマにつかず離れず絡み合っているから全体として不思議な統一感がある。私個人的には、これら3作品は遠くから眺めたほうが良いと思うのだが、どうであろうか。

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平木美鶴<イギリス>は研修テーマの一つが「初期抽象画」だったそうだ。そのためだろうか、楽しい抽象画を見せてくれた。「うさぎの目」という表題だけで、楽しさがこみあげてくるようだ。アクリルと油彩を使い分けているらしいが、華やかな色彩はアクリルによるものだろう。作者は「サラサーテの曲と共に見て欲しい作品」と解説に書いている。「チゴイネルワイゼン」でも聴きながら観賞するといいのかな。でもどうしてサラサーテがうさぎの目に通じるんだろう?疑問に思うこと自体、詩心がない証拠なのだろうか・・・。

__73 

押江千衣子<ベルギー>の作品は会場ではあまり印象に残らなかった。しかし佐藤幸代作品と同様、カタログや絵葉書で見たほうが良かった。特に「夕吹」はとても清楚な美しさ発散させていた。ドイツのハンブルグを訪れると町の真ん中にアルスター湖があり、そのほとりで描いた作品とのことだ。どうりで樹木の向こうがすっきりしているわけだ。

このような新人発掘がらみの展覧会は大変興味深い。評価が定まっておらず、参考文献も無いか、あっても少ないからいろいろ想像を膨らませることができる。来年もぜひ行きたい展覧会だ。

2007年1月27日 (土)

100年前のピアノサロンコンサート

トリオ・レヴリーの一員として「100年前のピアノサロンコンサート」(横浜山手:ブラフ18番館)に出演した。今回はどこかのオーケストラのニューイヤーコンサートを真似してワルツ特集にした。いつもはチェロだが、今日は1曲ピアノを弾くことになった。ヨハン・シュトラウス作曲「こうもり」序曲のピアノ連弾版の楽譜を母体に、ヴァイオリンを追加したものだ。(連弾の低いほうを担当)。独奏ではないといえ、人前でピアノを弾くのは久しぶりなので緊張した。この曲に神経をすり減らしたせいか、今回はチェロのほうもあまり上出来ではなかったな。これはいけない、反省しなければ。というわけで中華街の「大新園」で紹興酒、その近くの「Athens」で松ヤニ入りワインと、お決まりコースに乗った。疲れていたのか、いつもより酔いがまわってしまった。

2007年1月22日 (月)

コンセプチュアルな風景という写真集?

コンセプチュアルな風景」というのを思い付いた。発端は興奮冷めやらぬ「大竹伸朗 全景」だ。大竹といえば制作拠点の宇和島を連想する。そこで風景写真を撮影する。太陽や雲を見上げてシャッターを切ると、「宇和の空」という作品が出来上がる。これは大竹へのオマージュになっていると同時に、「上の空」を表現した心象風景にもなっているんだ。これって素晴らしいと思わない?え、しょせんオヤジギャグの範疇を出てないって?いいじゃないか面白ければ。

こういう作品を全国を旅して撮り続け、シリーズにするんだ。そうすると「写真集:コンセプチュアルな風景」という作品集が完成する。これには綿密な計画と時間と金が必要だから、今の私にはできない。誰か代わりにやってくれないかなあ。でもこんな馬鹿なことをやってくれる人はいないだろうな。

「宇和の空」は出来すぎているけど、他に同じようなものを探してもなかなか見つからない。どこか不完全になってしまうんだな。例えば、「今市のラナイ」→「いまいち乗らない」はラナイ(ベランダのこと)というハワイ語のお世話にならないと完成しない。惜しいところだが。「仙台の墓」→「先代の墓」。つまらないなあ。「佐渡公爵夫人」→「サド公爵夫人」。おいおい。「銚子のいい鍛冶屋」→「調子のいい鍛冶屋」。まだやる気か?「安芸の夕暮れ」→「秋の夕暮れ」。だめだ、もう止めよう。

というわけで、「宇和の空」のようにすっきりしたコンセプトがどうしても見つからない。一度じっくり時間をとって考えることにして、今回はHeavy Moon(重い月→思い付き)の提言にとどめよう。

2007年1月17日 (水)

菓子製造会社の件で一句

【時々一句~今日は時事俳句】

   初泣きのペコに矢向けるキューピッド

また説明調ですが、季語を入れたのでその努力を認めて下さい。果たしてこの救済は進められるのでしょうか?

   

   

2007年1月16日 (火)

ハピィさんのイラストを観た

NHK教育で「知るを楽しむ」を観た。白瀬中尉の南極探検物語だが、画家ハピィ氏橋(うじはし)さんのイラストが登場するというので楽しみにしていたのだ。番組が始まってしばらく経っても出てこないので「あれ、日を間違えたかな?」と心配したがそこは大丈夫。真打はちゃんと出るべき時に現れます。

白瀬隊が一時撤退でオーストラリアに寄航し、親切な学者の取り計らいで一行が人気者になったくだりだ。舞踏会に招待された白瀬中尉が貴婦人からダンスに誘われたのに、踊りができないので恥ずかしがって逃げ出した場面がイラストで表現されていた。

いやあ笑ってしまった。さすがハピィさん、赤面した様子が実によく描写されている。また時代と場所的にあり得ないカンカン踊りの姿をいたずらで入れてしまうあたり、遊び心満点だ。小さい字で「カンカン踊り」とこっそり書いてあるのがまたいいんだよね。NHKも柔軟になってきたなあ。前回は見逃してしまったけど、今回しっかり観ましたよ、ハピィさん。

2007年1月14日 (日)

古本「現代 日本画家辞典」

_039 古本屋で「現代 日本画家辞典」を買った。昭和31年(1956年)の出版である。著者は猪木卓爾。「現代」といっても51年前だ。ほぼ半世紀になるから、紙が黄変し、年月の重みを感じさせる。なぜこんな古い資料を求めたかというと、日本画家に対する世間の評価の変遷を知りたかったからだ。当時もてはやされた画家が今日評価が落ちていることもあれば、その逆も考えられる。そのような調査のための資料にしたかったのだ。

「まえがき」を読むと著者のこの本に対する意気込みが伝わってくる。少し長いが面白いので引用してみよう。(一部、旧字体や送り仮名などを読みやすく変えたところがあります。)

「今まで日本画界には作家の評伝または名鑑類は相当数出ているが、評伝は多くは著者の主観に基づく著名な大家、流行作家の芸術品評価に限られ、名鑑類は住所のほかは余りに簡単に過ぎ、これらの書物を参考にせんとする観賞家の不便が少なくないので、それらの要望に応えんために採録に取りかかり、足かけ4年有余の日子を費やした。」

なるほど、評伝と名鑑の情報と特長を併せもった辞典を作るのだ、というミッションを自らに課し、4年もがんばって調査した結晶なのか。これは貴重な資料を見つけたぞ。なおこれは個人情報保護などがうるさくない時代だから出来たのだろう。現代では名鑑ならともかく、住所付き評伝はほとんど見ない。「まえがき」は次のように続く。

本書の資料は多くは本人直接のもので、中には出典確かなものからとったものもあるが、それらの資料で作家の履歴、画系、特技、研鑽の足跡、社会的待遇、将来性などにつき、能う範囲内で正確かつ公平を期した。そしてなるべく作風の評論を避け実績の叙述に努めたつもりである。」

これはすごいことだぞ。著者は公平なデータ列挙を目指すために、作風評論を書きたい気をぐっとこらえて実績の叙述で我慢すると言っているのだ。そのためにはかなり冷徹な、科学的なアプローチが必要となるだろう。

しかし本当にそんな禁欲的なことができるのだろうか?著者には敬意を表したいが、自分の主観や思い入れが反映されない著述など味気ないだろう。そう思ってページをめくってみたら、あったあった。高山辰雄の項の最後に次のように記されていたのだ。

「その前衛的な画業の完成と円熟に至るためには、尚、将来多くの困難と闘わねばならないだろう。」

この文には著者の主観が多分に含まれていると思う。ただしあくまで愛情を持って書いているのだ。著者は高山辰雄が当時の絵画の道から外れているとしている。だから周りからの風当たりも強いが、それにめげず彼はがんばってゆくだろう、というような気持を込めてこの文を書いたのではないかと思われる。それにしても、高山辰雄が「前衛」と呼ばれるのだから時の流れを感じざるを得ない。

この本はすぐに役立つことはないかもしれないが、何かの調査の際にはその真価を発揮するだろうと信じる。同書の当時の定価は350円だが、古本屋では1,000円で売られていた。はたしてこの1,000円は高いか安いか?いずれ答が出るだろう。

2007年1月 9日 (火)

ひいきの画家(ハピィさん)の作品がTVに

「お世話になっているブログとHP」にもリンクを置いた「ハピィとムシュの昭和ホルモン劇場」のハピィ氏橋(うじはし)さんは気鋭の画家です。ハピィさんの描かれたイラストがNHKのテレビ番組で取り上げられたのでお知らせします。今日(19日)から4回にわたって放映されるそうです。

放映日:   1/9(火)、16(火)、25(木)、2/1(木)、8(木)

放映時間: 22:2550

チャンネル:NHK教育(3ch

番組名:  『知るを楽しむ』

<詳細>

1.1/9(火)、16(火):

日本人で初めて南極探検をした白瀬中尉の人物伝。 

こんな日本人がいたんだと元気が出るお話。

案内はカメラマン不肖宮嶋氏。

2.1/25(木)、2/1(木):

日本酒なるほどものがたり(3回目、4回目)

江戸時代に日本酒のヌーボーがあった・・

下り酒として清酒が重宝された江戸、日本酒文化が花開く。

そして明治。禁酒法のある国日本と国を支えた酒税。

3.2/8(木):

江戸のなんでもみてやろう1回目。

身長が180センチあった将軍吉宗。

暴れん坊将軍は一方で好奇心にもとづき様々な施策を。

象も買った。

*各日、一週間後の朝5:05より再放送があるそうです。 

 更に後日NHK(1ch)でも再放送の可能性があるそうです。

以上、ひいきの画家のお知らせでした。

ダークマターの初観測で一句

【時々一句・時事俳句】

暗闇に獅子が飲まれる冬の空

あー難しい。いちおう季語を入れた努力は認めてね。でもしし座にふれたのは冗長だったかな。でもそうすると「いちだんと暗さ増したり冬の空」みたいに説明調になっちゃうんだ。「冬の空ますます暗くなりにけり」なんてね。これじゃああまりにもダサいよね。誰かお手本を見せてください。

2007年1月 7日 (日)

行きたい展覧会 2007年その1

備忘録として今年(2007)開催される展覧会のうち面白そうなものを探した。美術館などのホームページを見ても完全な年間スケジュールを公開しているところは少ないから12月までを見通すことは困難だ。だから今日現在わかる範囲で列挙してみた。

探訪済  有元利夫展(そごう美術館)

探訪済  スーパーエッシャー展(Bunkamura ザ・ミュージアム)

01/06~ 今日の作家XI 鷲見和紀郎・畠山直哉(神奈川県立近代美術館・鎌倉)

01/11~ DONAMI・明日展(損保ジャパン東郷青児美術館)

01/20~ 中村宏|図画事件(東京都現代美術館)

01/20~ 没後80 萬鐵五郎(茅ヶ崎市美術館)

01/21~ 国立新美術館開館記念展 20世紀美術探検(国立新美術館)

02/23~ 文化庁メディア芸術祭(東京都写真美術館)

03/01~ 第26回損保ジャパン美術財団選抜奨励展(損保ジャパン東郷青児美術館)

03/10~ 夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史Ⅰ 関東編(東京都写真美術館)

04/14~ 藤森建築と路上観察(東京オペラシティアートギャラリー)

05/26~ ル・コルビジェ展(森美術館)

07/21~ メルティング・ポイント(東京オペラシティアートギャラリー)

09/05~ 創造美術の60年展(日本橋高島屋)

10月頃 あしがら里山アート展(大井町いこいの村あしがら)

各ジャンルをまんべんなく観ておきたいので、これまでなじみが薄かった分野については意識的に取り上げるようにした。これで一応様々な方面に眼を向けることができると思う。例えば、♪(広い意味で)幻想(有元利夫)、♪キュービズム(萬鐵五郎)、♪コンセプチュアル(藤森照信)、♪メディア(メディア芸術祭)、♪建築(ル・コルビジェ、藤森照信)、♪新人(選抜奨励展)、♪フィールド(あしがら里山)・・・といった具合だ。今後、先々の情報が公開されてくると、また新たな展覧会と出会えるから楽しみだ。

2007年1月 6日 (土)

スーパーエッシャー展

Photo_48 本来なら、混雑するのが見えていたので行かないはずだった「スーパーエッシャー展」(Bunkamura ザ・ニュージアム)に行ってしまった。その理由は招待券を手に入れたので行かないともったいないと思ったからだ。今日は天気が荒れ模様なので少しは空いているだろうと思ったが甘かった。会場へ入ったら、そこはエッシャーの世界ではなく、満員電車の世界だった。特に入口付近は混んでおり、最初の作品を観て次に進むまで5分ぐらいかかった。このペースで展示作品160点を観るには、5 x 160 = 800 で、なんと13時間もかかる勘定になる。最初はどうなるかと思った。すると進むにつれ少しづつ人の波がほぐれてきて、徐々に観るペースが上がってきた。そのため、そんな長時間にはならなかったが、それでも3時間は会場にいた。

エッシャーは、「少年マガジン」の表紙を飾って若者のファンができた事も追い風となり、ポピュラーなアーティストになった。だから私なんぞが下手な紹介文を書くだけ無駄というものだ。もっと意味のあることを書こう。というわけで今回の成果を書くことにする。それは「イタリアの風景は、それ自体が美しいので描いただけで美しい絵になる。しかしそうでない地域では風景自体が美しくないので、自分で再構築してみたくなる。」というエッシャーの考えに触れたことだ。(上記の言葉は元の意味を損なわない程度にジョヴァンニ流に書き換えています)。

エッシャーは個々の素材はそこらに転がっているもの(魚、鳥、虫など)を取り上げ、それらを数学的に均整の取れた方式で構成して魅力ある作品に仕立てあげてしまう。これは音楽とアナロジーが成立しそうだ。例えばバッハがどこかの民謡を聴き、旋律がさほど美しくないと感じたら、持ち前の作曲技法を駆使して味わい深いポリフォニーの音楽を創造するというシーンが想起される。そういえばエッシャーもバッハの音楽に啓発されたとか。あるいは文学においては、4人の男女がある街で恋愛のもつれを引き起こすという取るに足らないモチーフに基づき、ローレンス・ダレルが「アレキサンドリア四重奏」を書いてしまうとか、そういうのにも似ているな。そう言えば近々、本邦初訳の「アヴィニョン五重奏」が出るらしい。読まなきゃ。

__66 今回は招待券で図録も絵葉書も何も買わなかったから、珍しく展覧会に行って出費ゼロか、と思ったが最後に財布のヒモをほどくことになった。子供(といっても大きいが)から「でんぐりでんぐり」のマスコットをお土産に欲しいと頼まれていたのだ。そのためガチャ玉に取り組むハメとなった。これは8種類のフィギアのうち何が出るか事前にわかならいのが辛いところだ。1回目、はずれ。2回目もはずれ。3度トライしてはずれたら打ち止めにしようと思って開けたらやっと「でんぐりでんぐり」が当たった。私もこのての物は「オブジェ」と名付けさえすれば好きなのだが。それより私みたいな中年がガチャ玉にかじりついてお目当ての物が出るまで頑張っている姿こそオブジェになりそうだ

2007年1月 4日 (木)

有元利夫展

Photo_47 予定外だったが今年最初のアート観賞として、有元利夫展(そごう美術館)に行った。「光と色・想いでを運ぶ人」という洒落た副題が添えられていたが、有元ファンにはそんな細工は必要ない。名前だけ書いてあれば、それで充分だ。4年前に東京ステーションギャラリーでも有元の個展があり、展示作品にはだいぶ重複が見られたが、それでも構わなかった。有元は古今東西で好きなアーティストのベスト10に入る画家だから、その作品は何回観てもいい。

今日は年末年始休み明けの初出勤日だったが退社後、一目散に横浜に向かった。夜8時まで開いているのは嬉しい。まだ一昨日に始まったばかりで開期が2月末まであるから、焦って行く必要はなかったのだが、これにはわけがある。以前、同じ職場にいたF君という友人がいるのだが、年明け早々に彼から書類が届いたのだ。何だろうと開けてみると、この展覧会のチラシだ。これは無言で「行け」と言っているようなものだ。私も友人に絵葉書を送って同じような無言のメッセージを届けることがあるからよくわかる。近々の週末は用事があって忙しいので行けるとしたら夜間しかない。それなら、まだ仕事が暇な今のうちに行っておこう、というので足を運んだのだ。

ちなみにこのF君というのがすごい。どうすごいのかと言うと、美術に造詣が深いのだ。日本画家に関しては、作風の違いをそらんじているし、最近のアーティストについても知識が深い。去年の展覧会の私的ランキングで1位になった柄澤齊展にいたっては、鎌倉に先立ち栃木県立美術館で開催中に「行け」のメッセージを送ってきたんだ。それで栃木まで行きたいなという気分にさせられた。結果的には二人とも行かなかったが、F君というのはそういう人なんだ。

有元利夫は既に高名だし展覧会も没後に何回も開催されているから、今さら私みたいな素人が新しい情報をもたらすことはできない。ただ単に感想や印象を述べるにとどまるが、まあ仕方ないよね。一つ感じたのは前回(4年前の展覧会)では多くの作品が神々しく光輝いて鮮やかに見えたのに比べ、今回は若干色あせて地味に見えたことだ。何点かは前回と同じ作品が展示されていたにもかかわらず、だ。これはなぜだろう?第一印象というものは強烈だから、2度目、3度目は多少インパクトが弱く感じるためだろうか?それもあるかもしれない。あるいは照明など展示会場の条件によるのか?もしかするとそれも働いているかもしれない。だからと言って今回の展覧会が悪いというわけでもないよ、念のためだけど。

___6 作品はどれも素晴らしく甲乙付け難いのだが、好きなのは半券に使われた「花降る日」だ。有元が初めて賞らしい賞(第21回安井賞特別賞)を獲得した実質的デビュー作ともいえる作品で、素人受けするような感じだが大好きだ。バベルの塔がシンボライズされている感じだが、作品名にそういう名称を用いないところが奥ゆかしくていいなあ。これに比べるとブリューゲルの「バベルの塔」なんか、立派な作品で絵そのものは好きなんだけど、作品名があからさまで(直截的で)いやなんだな。よく見るとこの「花降る日」は相当に幻想的風景だよね。それなのにマニエリスム絵画のような暗さがないのが不思議だ。

今回の展示では一つ興味深い作品を見つけた。額が手作りで幾何学的な文様が彫られていたのだ。今日はフィールドノート(展覧会の感想などを書くための携帯ノート)を忘れ、後で図録を見ればわかるだろうと思って作品名をメモしなかった。しかし図録は額無しの写真しか掲載されておらず、どの作品かわからなくなってしまった。どなたか同展に行かれた方でこの事を覚えていて下さったら、作品名を教えて下さい。

2007年1月 2日 (火)

新年おめでとうございます

_037 去年の正月はベートーヴェンの弦楽四重奏曲各曲からさわりの部分を選び、それに正月の歌を重ねて「ベートーヴェンと共に新年を」というパロディー曲を作って書初めの換わりにしました。2007年はグリーク没後100年にあたるというので、前回同様「グリークと共に新年を」という曲を作り始めたのですが、以外とてこずり、まだ完成していません。新鮮さが命のジャンルなので、1カ月後に出来ても意味がありません。さあ大変だ、と突貫工事をしています。今年もよろしくお願いいたします。

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