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2006年12月12日 (火)

漱石先生からの手紙

__58高校の恩師が本を書いた。「漱石先生からの手紙 寅彦・豊隆・三重吉」(岩波書店)だ。ほとんど発売と同時に購入し、読み始めた。全編、師匠と弟子たちの暖かい交流という通奏低音が流れ、漱石の人柄を偲ばせる。

内容を書くと艶消しになるので止めるが、一部だけ音楽に関係あるところを紹介しよう。弟子の寺田寅彦はヴァイオリンを弾き、クラシック音楽のファンだったそうだ。ある日寅彦は夏目漱石先生と上野にコンサートを聴きに行く。その最後の曲目がドヴォルジャークのピアノ五重奏曲だったというのだ。この曲は今でこそ有名だが、当時の日本では無名の作品だったのではないか。そういう曲を好んで聴いていたのは、今で言えばかなりのオタクに属するだろうと思った。

なお会場は上野の奏楽堂だと推測する。奏楽堂が落成したのは1890年だ。寅彦が熊本第五高等学校で漱石に出会ったのは1896年だから、既に奏楽堂は存在していた。また同書によると「この音楽学校の演奏会・・・」と書かれているから、東京音楽学校(今の芸大)の学生あるいは講師陣メンバーが奏楽堂で演奏したコンサートではないかと思う。演奏はどんな感じだったのだろう?現在の演奏家より技量は劣っていただろうが、寅彦が満足するだけの雰囲気のある演奏をしたのではないか。そのように考えるとイメージが広がって楽しくなる。

楽しい本ですよ。皆さんも読んでください。(先生、ちゃんと宣伝したから褒めてください!)

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