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2006年11月 4日 (土)

ビル・ヴィオラ:はつゆめ

Photo_24ビル・ヴィオラ:はつゆめ」(森美術館)に行った。仕事帰りだったので観終わったら夜になっていた。先日ビデオアートの草分けであるナム・ジュン・パイクの個展を観たが、ヴィオラはナム・ジュン・パイクのアシスタントだったそうだ。二つの展覧会により、この分野の新旧比較もできて良かった。当然のことではあるが、パイクの時代に比べて作品の仕上がりが丁寧で画像が美しかった。

チラシの写真に採り上げられている「ミレニアムの5天使」は代表作だけあり、さすがに迫力があった。水にドボンと落ち、沈んでゆく人物(死の暗示か)と、その逆回しにより水中から空へ向けて飛び上がってゆく人物(誕生の暗示か)の単振動的な繰り返しと言ってしまえばそれまでだが、飛散する水滴などの映像が美しく、音響も効果的だと思った。

__23 私の趣味からすると「四人の手」が面白かった。両手を組合わせたり、ほどいたりする動作の映像が4つ並んでいる。全体を眺めると構成的に洒落ているのだ。左右の手の組み合わせというとロダンの「カテドラル」を思い出す。手だけの作品なのに、なぜかタイトルが大伽藍という異色の作品だ。ロダンの中で最も好きな作品だが、ヴィオラの作品と決定的に異なる事がある。それは静止しているか、動くかという点だ。なあんだと思うかもしれないが、これが絵画・彫刻とビデオアートの大きな違いではないかと思う。しかもその映像が4つもあるから、構成パターンの順列組み合わせは膨大な数になるだろう。

なお「ベール」という森の中を映したインスタレーション作品があった。ここでも(渓流の)水が飛散するシーンがあったが、だんだん焦点がぼかされてゆき、水滴が大きく淡く写し打された。そのシーンが美しく、まるで駒井哲郎の版画みたいに見えた。

ビデオアートはまだまだ見慣れていないので、今後他のアーティストに広く目を向けてゆきたい。チケットでおまけに入れる東京シティービューからはライトアップされた東京タワーに満月という、いかにもベタな景色に出会った。

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コメント

ビデオ・アートなので時間を作って見に行きました。多くの作品を最初から最後まで全編見たけど、うーん、確か見る価値はありました。ただ、僕は、六本木ヒルズの何処かに映像カフェをしつらえて、そので一定期間ずっと流していたほうが適していたと思った。つまり、映像ではあるけど、コンセプトは同じままだから。つまり、一つのコンセプトは作品にある、でも、ビデオとしての映像はそのコンセプトが一定のまま流れている、と僕には思えたからなのです。

ハシビロコウさん、コメントありがとうございました。「映像カフェ向きの作品」とは興味深いご意見ですね。これからもよろしくお願いします。

私も「ベール」がいちばん気にいりました。プロジェクター投影にこんな方法もあるのだと、感動した作品です。
無理矢理、息子(中三)を連れて行ったのですが、結構気に入っていたようです。

お名前を存じあげている自由なランナーさん、コメントありがとうございました。アートの趣味が似ている部分が多く、時々異なる視点が出てきたりで貴ブログに興味深々です。

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