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2006年10月14日 (土)

橋村奉臣展

■橋村奉臣展

__5 HASHI[橋村奉臣](東京都写真美術館)に行った。展覧会が始まる前後の時期に「ワイングラスが割れる瞬間などを写した写真展をテレビで紹介していた」と妻から聞いていたのだが、高速度撮影なら歴史が古いので大したことはないだろうと思っていた。しかしチラシを見たら、高速度撮影の作品もただそれだけではないオーラを発しており、加えてセピア色の渋い作品群も魅力的に思えたので終了前に是非観ておこうと思ったのだ。

展示作品は大きく2つのタイプに分かれていた。「一瞬の永遠」という高速度撮影によるカラー作品群と、「未来の原風景(ハシグラフィー)」というモノトーンの作品群だ。とても同一作家の作品には見えない2つの個性が共存している感じだ。しかし双方は「時間」という大きなテーマでしっかり結ばれていた。つまり「一瞬」と「未来」だ。このコンセプトの裏打ちが、また両方の作品群の観賞をより楽しくしてくれているようだ。

__6 「一瞬の永遠」には「刹那」の美学があるようだが、中には高速度撮影によらない作品もあった。「クリスマスの思い出」がその好例である。フォーク、ナイフ、スプーン、皿とその上に横に置かれたマグカップがただ映っているだけだ。それらは真っ黒に汚れ、長期間放置されたかのように見える。きっとクリスマスディナーに用いたものをそのまま洗わずに何カ月も保存し、撮影したのだろう。そんな事を想像すると単なる汚れ物に見えてくるが、作品そのものを無心に眺めると、実に美しいのだ。そして黒ずんだ汚れは目を背けさせるものではなく、「永遠の」時間を感じさせてくれるから不思議だ。

__7 一方「未来の原風景(ハシグラフィー)」は一転モノトーンの世界に入る。例えばこの「フランソワ・ラシェズと顧客、ランス」が代表的だ。印画紙にどういう処置を施したのかわからないが、写真が年月を重ねて風化し、古色蒼然としたたたずまいになっている。未来の展覧会で自分の作品を観る、というような趣向らしい。私好みの一種の心象風景のようで興味深かった。

     ポスト・デジグラフィ展

Photo_4 同時開催の「ポスト・デジグラフィ」も観た。ここでは展示よりスクリーンのある小部屋が良かった。そこでは、この分野の種々のコンクールで受賞した作品を紹介したVTRが流されていた。コンピュータ・グラフィックスやアニメなど多彩な作品のさわりが次々に現れ、面白いのでずっと席を立たずに観ていた。受賞作品ということで「ハウルの動く城」のような有名作品も含まれていたが、さすがに有名作品は表題だけ紹介し、中味は省略されていた。

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コメント

ジョヴァンニさん、こんにちは。

チケットをよく見ると、みかんが「・・・」なんですね(^_^;

おそるべし、です。あと残りわずかの日程なので、行かれたらラッキーです。

Minacraftさん御無沙汰です。自然崩壊してゆく物の「うつろひの美」とでも言うのでしょうか。日本の伝統も併せ持った西洋的感覚の作品群だと感じました。ぜひお出かけ下さい。

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