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2006年8月13日 (日)

ポップアート1960's-2000's

Photo_9ポップアート1960’s2000’s」(損保ジャパン東郷青児美術館)に行った。この分野にはあまり関心がなかったが、逆にこの辺でトレンドをおさらいしておきたいなと思ったのだ。年代順にポップアートの発展過程を追体験する形で展覧会が構成されていたので、わかり易くてよかった。抽象表現主義の作品もポップアートの範疇に入るものとして取り上げられており、好みのタイプの作品にも出会うことができた。

Photo_10 そういう意味でフランク・ステラの「ダブル・グレイ・スクランブル」に出会えたのは嬉かった。一見ポップアートとはほど遠いが、分類の厳密性はあまり問わなくていいと思う。正方形のアートと言えば、極端に走ったのがマレーヴィッチの黒く塗った作で、その他ジェセフ・アルバースなどを思い出す。それらの中でステラのこの作品は奇をてらわず、知的で色彩的にも豊かで、静かだけど動きがあるなど良い点だらけだ。そう言えばステラの作品は観ているようであまり観ていない。個展が開催されたことはあっただろうか?

Photo_11 同じく抽象画ではソル・ルウィットの「四隅からの弧形」も良かった。渋い作品だなと思ってキャプションをよく読んだら木版だった。へえソル・ルウィットは木版なんか使ってたんだ。知らなかった。感じのいい作品なので買えるものなら家に飾りたい。(冗談ですよ)ミニマルアートの推進者にしては作品が古典っぽいのはなぜだろう?またコンセプチュアルアートの一派に属している割には理屈がないようだ。これも疑問。まあこのような不可思議なアーティストがいてくれる方が面白いな。

Photo_12 ケヴィン・アペルの「ハウス・ローテーション・ブルー」には特別の想いを寄せたい。これを観たらパウル・クレー命の「空間の中で構成されないもの」を思い出したからだ。宙に浮く半透明の直方体が組み合わさった構成は本当に魅力的だ。クレーは純粋抽象の趣でありながら隅に人体を配置するなど具象との接点を保って冷たさを救っている。これに対してアペルは見たとおりの箱だけの構成だ。それでも冷たさがないのは、家屋などの構造を母体としているからだろう。

こうしてみると、やはり自分の好きな分野(抽象構成)に目がいってしまうな。今回の主要テーマであるポップアートの本来の作品にも目を転じなければ。

Photo_13 というわけでデイヴィッド・サーレの「鏡(赤)」に注目した。どこかで見た記憶があると思ったら、19989月に外苑前の伊藤忠ギャラリーで開催された個展で同じ作品を観ていた。しかも同じ作品が小冊子の表紙に使われていたのだ。この作品は同年制作された「できたてのほやほや」だったのだ。さらにサーレ本人もギャラリーに来場していてトークがあり、来場者の質問にも答えるコーナーまで用意されていた。今考えると、ずいぶん充実してサービスに富んだ個展だったんだな。サーレはスティーブン・セガール似のイケメンだった。そのあたりもアーティストとしてのマーケティングに効を奏しているんだろうな。うらやましい。

Photo_14 その他の感想として、ピーター・ハリーの「ジョイ・ポップ」はけばけばしい色調が目についたが構成が良かった。ドナルド・ジャッドは「箱」以外の作品を初めて見ることができて良かった。ジム・ダインのハートは洒落ているな。そういえば以前ハートのデザインのグリーティングカードを買った。まだ持っていると思う。マリーナ・カポスは個性と存在感を感じさせる。どこにでもありそうで、ユニークだ。

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