« アンコールその5:タ・プローム | トップページ | アンコールその7:バイヨン寺院のレリーフ »

2006年3月23日 (木)

アンコールその6:村の生活

アンコール観光の拠点シェムリアップの街から北東に50km程度のところにクーレン山がある。この山中の渓流沿いにひっそりとたたずんでいるのが「クバール・スピヤン」遺跡だ。この地域はポル・ポト派の居住地区に隣接しており、かつ地雷撤去が完了していないので大変危険だ。この遺跡を見学するために、ドライバーと現地人ガイド付きで10人乗りのバンに乗り込み、砂利道を時速4050km程度で走行した。約1時間の行程だ。時おり乾いた赤土の砂埃を舞い上がらせながら車は進んだ。遺跡についてはいずれ報告したいが、今回はその道中に観察した民家の様子をレポートしたい。

<家屋>

郊外の村は地区により住居と生活環境が微妙に違っているのが興味深かった。殆どの家屋が草ぶきの屋根で高床式だ。湿気や虫などを防ぐためだろう。時折この地域にしては立派な住居が見られた。土地の富豪であろうか。そのような富裕階層の家屋は同じ木材を建材として使っていても、日本などで一般に見られるような建物のつくりだった。さらに先に行くと、ある地域では焼き煉瓦(れんが)を量産している関係で少し豊かそうな家庭は煉瓦積みの家を建てていた。

<広告板>

面白かったのは、壁面にコーラやたばこの広告板が打ちつけられていたことだ。そのような家庭は業者から広告料をせしめているのだろうか。またこのあたりは貧しいので、清涼飲料水などはあまり買えないだろうから、これらの広告は誰を対象にしたのだろう?我々のような観光客だろうか?その辺の疑問を残し、車は進んだ。

<電気なし>

あたりには電柱がない。従って、当然電線もない。つまり電化されてないのだ。最近テレビのコマーシャルで「オール電化の家」などと言っているが、その逆である。煮炊きには薪を燃やしている。ある民家の庭先で婦人が大きな鉄鍋で料理していた。その下では沢山の薪が燃えていた。そういえば庭先に薪の束を積んでいた地域があった。なおごく一部の家には庭に発電機らしき大きな機械が置かれていた。自家発電するのだろうか?しかし家屋を見ると、さほど金持ちそうには見えなかった。不思議だ。

<家畜>

殆どの家で家畜を飼っていた。繋がれている動物はまず見られず、放し飼いである。ある広い草原には牛が数頭のんびりと座って日光を浴び、ゆうゆうと草をはんでいた。その先の村では女の子が牛の手綱を持って引いていた。どこかへ売るのだろうか。牛の他には番犬として犬がよく飼われているようだ。そういえばカンボジアの犬は痩せている。特に顔が細い。あまり栄養状態が良いとは言えないが、まあ元気そうに活動しているから安心した。なお猫はほとんど見られない。道中一度だけツアー仲間が猫を見つけて歓声をあげていたっけ。猫は本当に少ないのか、それとも牛や犬と違って物陰に隠れているので見えないのか、そのあたりは謎である。

<道路>

我々のバンが通った道が道路のすべてである。畑に行くのも、子供が学校に行くのも、隣村へ行くのも、みなこの一本道を通る。そのためバンを飛ばしていると時々危険を感じることがある。家畜が単独で道路を歩いていることがあるのだ。どこへ遊びに行くんだろう。一応、道の端を歩いているのだが、なにせ体が大きいからぶつかるような感じがするんだ。ドライバーは慣れているらしく平気で飛ばしていたが、私はかなり冷や汗をかいた。なおカンボジアの運転手はよくクラクションを鳴らすのでうるさい。まあ危険防止を心がけていると前向きに解釈しよう。

<生活の糧>

どうも不思議に思ったのは、田畑が多くあっても大規模な集荷場所が見られず、また作物を積んだトラックも殆ど見られなかったことだ。これだけのことから推測するのは乱暴だが、どうもこの辺の農家は自給自足の部分が大きいようだ。そして通貨はどうやって得ているかと言うと、観光客への土産物販売だと思うのだ。それには子供たちが大きな役割を演じている。

以上の観察から村の農家の生活パターンを想定してみると、父親は田畑に行って自分達の食材を得るとともに、作物の一部を市場に出して若干の収入を得る。母親は田畑を手伝ったり家事をしたりする。子供たちは少し経済的に余裕があれば半日学校に行き、下校したら土産物を売り家計のたしにする。そして、書きにくいことだが、貧しいと子供たちは学校へ行けず土産物を売るのである。ちょっと悲しくなってきた。以上は私の推測で描写してみただけなので、実態とは異なる部分があると思う。だけど実際に目で見た限りでは、以上のように見えてしまうのだ。

というわけで独断と偏見に満ちたレポートは終わるけど、このままで終わらせたくない。他の人から情報を得て、私が誤った内容があれば訂正してゆきたい。それを続ければ、かなり真実に近い姿を得ることができるだろう。

« アンコールその5:タ・プローム | トップページ | アンコールその7:バイヨン寺院のレリーフ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/163862/4023300

この記事へのトラックバック一覧です: アンコールその6:村の生活:

« アンコールその5:タ・プローム | トップページ | アンコールその7:バイヨン寺院のレリーフ »

最近のトラックバック