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2006年3月20日 (月)

アンコールその5:タ・プローム

Taprohm 今回は映画「トゥームレイダー」のロケ地「タ・プローム」だ。写真の通り巨大なスポアン(榕樹)が怪物のように建造物に覆いかぶさり威圧している。ここは日本人観光客に人気があると言う。そりゃあそうだろう。この迫力には負ける。

ところが、あまり調子に乗ってばかりはいられないんだ。「トゥームレイダー」は遺跡を容赦なく破壊する場面があり、史跡保全の立場からするとあまり良い評価は得ていないそうだ。そして日本人観光客としての自分自身を振り返ってみると、この遺跡を破壊する巨木に感動し喜んで見物するというのは、地元の人からは「トゥームレイダー」の破壊者と同類と見られているかもしれないんだ。もしそう思われていたとしたら、反論できない。しかしこの奇観の魅力にはどうしても負けてしまう。そんな自分が悔しいが、仕方がないじゃないか。開き直って、もっと素直に自分の気持を出そうかな。よし、そうしよう。「タ・プローム、すごーい!」ああすっきりした。

あまり屈折するのは健康に良くないよね。でもこういう「両面を見る」という考え方が多少なりともできるようになったのは、今回の旅行の大きな成果でもあるんだ。だから大事にしたい。その上でバランスを取って素直な感動は、またそれで大切にしたいんだ。

アンコール建造物を建てた昔のカンボジア人は、まさかこのように樹木が遺跡を侵食するという事態を想定していなかっただろう。だから創作者の立場からすると、自分たちの作品が自然の猛威によって損なわれるということになる。しかし、この植物と建築物の格闘場面を一種のオブジェとして観た場合、これはまた芸術的価値が高いと思う。

創作者の意図にないところで、別種の魅力付けがなされてしまったわけだ。すると、次に考えなければならないのは、この状態を善とするか悪とするかだ。遺跡保全の立場からすると「悪」だろうから、補修グループがスポアン(榕樹)を切り倒し遺跡の修復に努めている。しかしこれを「善」と解釈したなら、この景観はそのまま残し、これ以上侵食が進まないような方策を採るだろう。これは難しい問題だ。赤瀬川大先生はどう思われますか???

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